非天マザー by B-CHAN

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保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人

 

日本には連帯保証人と言う制度があります。

知らない人が多そうですが、実は連帯保証人は保証人とは別です。

 

Aさんが借金をする際に、BさんがAさんの保証人になったとします。

債権者がBさんの所へ、借金の取り立てに来たら、Bさんは、

 

「まずAのところへ行け!」

 

と追い返せます。

ところがもしBさんがAさんの連帯保証人だったとしたら、

 

「まずAさんのところへ行け!」

 

とは言えないんです。

借金取りはいきなりBさんから借金を取り立てることができるんです。

実質的には、AさんとBさんは同じ立場。

 

保証人は、Aさんがダメになってから初めて借金の面倒を見てあげる立場なんです。

でも連帯保証人は、Aさんが借金した瞬間から同額の借金を背負うんです。

 

連帯保証人とは保証人と違って実に恐ろしい制度なのですよ。

だから、カンタンに連帯保証人になってはいけないんですね。

 

 

賃貸住宅の連帯保証人

 

 

ボクが賃貸住宅の管理の仕事をしているから書きます。

今年、改正民法が公布されました。

民法の改正は実に120年ぶりですよ。

つまり、120歳以下の人は誰もが初めて経験する新しい法律の世の中がやって来るんです。ほぼ全員ですね。

改正項目は200。日本人の生活がかなり変わります。

そのひとつが連帯保証人の保護。

賃貸住宅を借りるときに連帯保証人が必要なことがありますよね。

従来なら、連帯保証人は借主の家賃などを連帯保証する立場でした。

連帯保証承諾書に署名押印すれば成立していました。

しかし、民法の改正によって連帯保証人が保護されます。

具体的に、いくらの連帯保証をするのかを契約書に明記する必要が生じるのです。

例えば、家賃が月に5万円としたら、その2年分つまり120万円。

契約書には120万円と明記する必要があります。

書いていなければ連帯保証は無効です。

でも。

120万円なんて書かれたら、連帯保証人になるの、ためらいますよね?

ホントのことを言えば、従来の方が恐ろしかったわけです。何せ金額が書かれていなかったんですから。保証額がいくらになるのかがわからないまま連帯保証人になっていたわけです。

だから、具体的に上限が120万円と書かれることによって負担は減るはずなんですよね。

でも、金額が具体的に書かれることが、逆にビビってしまって連帯保証人になりにくくなる。

こんな恐れが出てきたわけです。

実にボクの仕事がやりにくくなります。

まあそれでも仕事なので、何とかしますが。

 

連帯保証人の立場が保護されるのは良いことですしね。

 

ちなみに最後に。

保証人と連帯保証人のもうひとつの違いを書いておきます。

例えば、Aさんが100万円の借金をするとします。

もしBさんがAさんの保証人なら、負担額は最大で50万円です。二人で100万円を分け合うんですね。

だから借金取りが来ても50万円だけ保証すればOK。

しかし、もしBさんがAさんの連帯保証人なら、借金の全額を負担しなきゃならないんです。

借金取りに対して人数で分け合うことはできません。

 

ね。連帯保証人ってキツいでしょ。