年金問題
日本の年金制度は賦課方式だという話はしましたよね。
賦課方式なのに出生率が低いってことは、高齢者の割合が増えるので、若い人の負担は増える一方です。
昔の人は、掛け金はそんなに払ってなかったのに、たくさんの年金をもらっていました。
あなたも祖父母からよくお小遣いをもらったのでは無いでしょうか。
それはそれだけ当時の高齢者がたくさんの年金をもらっていたからです。
でも今の若者が高齢者になる頃には、もらえる年金は微々たるもの。
一番の問題は、もらえる年金の額の大小じゃ無いんですよ。
掛け金よりももらえる年金の方が少ない、これが大問題なんです。
1,000円払って1万円もらえるなら、よろこんで1,000円払いましょう。
これが昔の老人。
一方、1万円払って1,000円しかもらえない。
これが今の若者、つまり将来の老人。
すると、次のように考えるのが自然な流れです。
掛け金なんて払わない方が得だ。
うん、当たり前ですね。ボクも賛成です。
1万円払って将来1,000円もらえるのなら9,000円の損。
しかし1万円払わなければ1万円はそのまま残ります。
そりゃ、払わない方がいいですよね。
絶対にやってはいけないこと
でもみなさん、ここで気を付けてください。
絶対にやってはいけないことがあるんです。
そりゃ、掛け金を払わないことも、ホントはダメなんですよ。
年金は支え合う制度なので抜け駆けする人が発生すれば成り立たなくなります。
しかしボクが言いたいのは、そこじゃないんです。
1万円の掛け金を払って将来1,000円をもらうのは9,000円の損。
だから1万円の掛け金は払わない。
ここまではOK。
自然な考え方。
問題は、その1万円の行方です。
1万円が手元に残ったからと言って、それで買い物などをして使ってしまってはダメなんです。
よく考えてください。
もし1万円を年金の掛け金として払ったのなら、将来1,000円もらえます。
あるいは1万円を払わずに貯金しておけば、将来その1万円を使えます。
でも、もし1万円を掛け金として払わずに買い物などに使ってしまったら。
将来1,000円ももらえないし、1万円も無くなってしまっています。
つまり、将来の入金はゼロです。
とてつもなく困りますよね。
それならまだ、1万円払って将来1,000円受け取った方がまだマシです。
年金の掛け金を払わない人は、強靱な意志を持って、その浮いたお金を使わずに我慢して老後を迎える必要があります。
実はこれが難しいんですよね。
多くの人は貯金が苦手です。
収入がそれなりにある人でも貯金が全然できない人はたくさんいますし、下手すると借金がある人も多いです。
それくらい、人間は貯蓄の意思を持つのが苦手なんです。
若い人にとっては年金制度はたしかに損でしょう。
しかしそれは損得勘定という一面の話し。
年金の掛け金を払うということは、言い換えれば(金額が少なくなるとは言え)確実に貯金ができるということです。
ボクはこれこそがホントの年金問題だと思うんですよね。
若者が損だと思って年金掛け金を払わず、しかも浮いたお金を使ってしまい、結局老後には1円も受け取れず貯金も無い。
そうなるともう絶望的です。
恐るべき年金問題です。
なので、自信の無い人は素直に掛け金を納めておきましょう。