人為的に株価操作
こんにちは。
昨日あたりから、世界的な株安です。しかも歴史的な。
ボクは以前から書いていますが、モノの価格と言うのは、需要と供給で決まります。
例えば、キャベツが大豊作の年は、農家がたくさんのキャベツを捨ててしまう、そんなニュースを聞いたことがあると思います。
いつもの2倍の数のキャベツができてしまったとします。
それらをもし、そのまま市場に流してしまったら。
消費者はいつもの2倍の量のキャベツを食べるでしょうか。
食べませんよね。
2倍のキャベツが流通しても2倍の数が売れるわけでは無い。
売れ残る。
価格が下がる。
価格が下がると、少しは多く売れますが、それでも消費者はキャベツばかり食べるわけにはいきません。
結果、キャベツ関連業者は、いつもよりたくさん働いてたくさん作ってたくさん売っても、売上は変わらない、そんなことになります。
一番単純な数字で言えば、2倍の数のキャベツが売れても、1個の価格が半額なら、売上はまったく同じですよね。
いつもよりたくさんの労働力やら肥料やら運搬費を使ったのに売上高は同じ。
下手したら赤字です。
なので、キャベツ農家は仕方無く、キャベツを捨てて、流通量を減らすしか無いんですよね。
モノの価格の上下は、売り手の都合では無く、世の中の摂理、それを知っておいてください。
仕手株
しかし、世の中にはある程度、価格を操縦できるケースがあります。
なぜなら、モノをいくらで販売するかは、売り手の自由だからです。
新型iPhoneの価格が高額なので話題になっていますが、例えば、ダイヤモンドなんて、単なる石ころであって、光を反射する以外に何の機能もありませんが、それでも何百万円、何千万円もします。
なぜなら、それでも売れるからです。
価格は売り手と買い手の合意形成。
キャベツだって、豊作の年でも、売り手は高い価格で売っても構わないわけですよ。
でも、消費者は、他の店で安いキャベツを買ってしまいます。
豊作ですから。
つまり、高い価格のキャベツは売れません。
売れなければ、いくら高い価格を付けても意味が無いですよね。
株の世界でも同じ。
株の価格が上下するのは、売り手と買い手の合意形成の結果です。
今回の株価の大暴落は、多くの人が、株を不要と考えたからです。
つまり、供給が需要を上回った、それだけのことです。
しかし、世界の株価全体で言えば、価格はマーケットで決まりますが、個別の銘柄で言えば、必ずしもマーケットが原因とは言えないケースがあります。
それが仕手です。
例えば、ある会社が株式を100万株だけ発行していて、今の株価が100円だとします。
すると、1億円でその会社の株を全部買えちゃいます。
ここで、5000万円使って、その会社の株をジワジワと買い進めていきます。
同時に、SNSを使って、
「あの会社は良い新製品を出すらしいな。」
的な情報を拡散させます。
半数の株を買い進めることと情報によって、株の需要が上がり、価格が上がっていきます。世の中の他の人たちもつられるからです。
そして、株価が300円になったところで、5000万円分の株を買った人は全部売却します。
これだけで1億円の儲け。
世の中全体を動かすのは難しいですが、1社の株価だけを操縦するのなら、ある程度の資金があればできてしまうんですね。
今回の世界の株安は仕手とは関係無いと思いますが、株の世界は、そんなこともできてしまう、それを知っていてもらえば。
これが、株とFXの大きな違いだと思います。
為替は市場が大きすぎて、民間レベルでは操作できませんから。
と言うわけで、今回は、経済のお勉強でした。