保険を相談する
昔と違って今は保険に加入するルートが増えています。
- セールスマン……昔から
- 銀行……10年くらい前から
- 街の店舗……ここ数年
セールスマンは保険会社に属しているので、その会社の保険しか売れません。
銀行は、提携している保険会社の保険を売ることができます。
街の店舗は様々な保険会社の商品を取り扱っていることが多いです。
ま、普通に考えたら、選択肢の多い街の店舗で相談するのがメリットが大きいでしょうね。
で、最近は競争も激しく、相談するだけで商品券がもらえる店舗もあります。
相談は無料です。
というわけでボクは今回、5000円の商品券をもらいに保険相談に行ってきました。
ファイナンシャルプランナーが相談に乗ってくれて、決して保険の勧誘はしない、というキャッチフレーズです。
ここで白状します。
このブログの読者さんやボクの友人はみんな知っていますが、ボクはかつて保険業界にもいました。
保険関係の資格試験もほとんど満点合格で、職場でもトップでクリアしていた人間です。マニアですから。
別に自慢でも何でもなく、保険についてはハチャメチャ詳しいです。
たまに保険系の記事も書いています。
その上、ボクのキャリアは、
- 信託銀行
- 保険
- ファンド
- 不動産
保有資格は、
- FP2級
- 宅建
- 不動産コンサルティングマスター
- 賃貸不動産経営管理士
- 簿記2級
- マンション管理士
- 管理業務主任者
- 国際会計
- あと、中小企業診断士試験も一次試験は突破しています。
金融とか実務系はたぶん一般の人よりも知識はあるはずです。
正直に言いますが、今回は保険の相談に行ったというよりも、相手のファイナンシャルプランナー(FP)の能力を見てやるか、という意識が9割でした。
相談の中身
で、現場ではボクは保険の素人というフリをしました。
それ以外のスペックは事実を話しました。
給与収入とインターネット収入があり、インターネット収入で生活しているので、給与収入は全て投資や貯蓄に回せる、と。
極端に言えば、毎月数十万円の掛け金の保険に加入できるということです。
あ、ちなみに、ホントは掛け金ではなく「保険料」と言うんですが、ここでは紛らわしさを避けるために、便宜上、掛け金と言っておきます。
で、相手のFPは目を輝かせました。
そりゃそうですよねえ。すごく大きな契約を獲得できる可能性が出てきたんですから。
ボクのスタンスは貯蓄性の高い保険重視。
一般の多くの人は掛け捨ての安い保険がお得だ、と有名評論家からマインドコントローるされていると思いますが、決してそうでも無いことはボクの以前の記事でわかってもらえると思います。
FPからの提案は、
- 貯蓄性の高い終身保険
- 医療保険
この2つでした。
貯蓄性の高い終身保険はボクの好きな保険。
スタートしてから10年とか15年待てば、解約返戻率が100%を超えます。
つまり、払った掛け金が全額あるいはそれ以上に返ってきます。
亡くなったら死亡保険金を受け取れますが、逆に亡くならずに老後を迎えおカネが必要になったら、解約すればおカネが返ってきます。
つまり、どっちにせよ、おカネを失うことは無いわけです。
これが掛け捨て型との違い。
掛け捨て型なら、期間内に亡くならずに期間が終了してしまったら、死亡保険金も受け取れませんし、もちろん解約返戻金もゼロ。
しかも期間内に死亡しない確率の方がはるかに高いです。
つまり、ほとんどの人は、保険金も受け取れず掛け金も失います。
これがボクが掛け捨て型保険が嫌いな理由です。
医療保険はボクはすでに入っているんですが、話を聞くと面白いです。
ボクは直販のセールスマンだったので、自社の医療保険しか知らず、しかも10年以上前。
その後も各社の商品開発は進み、競争も激しいことから、より良い商品になっていますね。
ただ、ボクは医療系の保険に22歳で加入しています。
保険の最大の特徴は加入年齢が上がるほど掛け金も上がることです。
死亡率や病気発症率が上がるんですから当然です。
今の年齢から新規加入するなら、あまり損ではないんですよ。
なぜなら毎月の掛け金が高くても、加入年齢が遅い分、残りの人生が短いわけですから、掛け金支払い期間も短くなり、トータルの支払額で言えば、そんなに変わらないわけです。
しかしボクのように若い頃から加入を継続していて、しかも年齢が上がってから、別の保険に乗り換えるのは、ほとんどメリットが無いです。
過去の支払いコストと、新規の高額コストが合算されるわけですから。
確かに新機能は開発されているでしょうが、それを取り返せるほどのメリットは無いです。
ここ、要注意。
他社から乗り換える場合には、こういう巨大なデメリットがあるんですが、これを説明しない会社は非常に多いです。
こればっかりは事前の知識武装で対抗するしかありません。
感想
結局、保険相談はほぼ2時間。
と言っても、相談というより、利率の高い貯蓄型終身保険の説明を聞くのに終始した感じでした。
もちろんボクも詳しく知っているので、ツッコミどころもたくさんあったんですが、あえてそれは聞かず。
約束通り、勧誘はありませんでした。
気になったのは、専門用語を使うこと。
例えば、P免という言葉を普通に使ってましたよ。
保険業界ではない素人にP免なんて言ってもわかるはずないでしょうに。
PとSという用語すら知らないのに。
ちなみに、Pは保険料(掛け金)、Sは保険金を表します。
P免とは保険料免除。例えば保険期間の途中で、ガンと診断されたら、それ以降は掛け金を払わなくて良くなる特約です。
果たして、そのFPがP免という言葉を普通に使ったのは、ボクが素人ではないと見抜かれてしまったからなのか、それとも単にそのFPの能力不足なのか。
とは言え、今回のFPは保険の相談員としては普通レベル。
まあちょっと話しすぎですけどね。
保険の相談に行く人は、基本的には保険が嫌いでは無いはず。
加入したくないのではなく、どう加入したら良いかわからない人たちだと思うんですよね。
だから勧誘しないことを売りにするよりも、適切なアドバイスをもらいならが加入できることの方がメリットに感じると思うんですよ。
いくら無料相談だと言っても、民間企業ですから、稼がないと事業が成り立たないのは、お客さんだってわかってますしね。
そういう意味ではFPもやはりセールスマンです。
売り上げがないと成立しません。
そう考えると、しゃべりすぎは考えものです。
以前書いた記事を読んでください。
お客さんは自分のことを話したいですし聞いてもらいたいんです。
商品の良さをアピールするセールスマンよりも、自分のことをいろいろ聞いてくれるセールスマンに惹かれます。
そもそもですが、その人の仕事とか性格とか好みとか家族構成とか将来設計とか夢とか、そういったことをできるだけ詳しく聞き出さないと、ニーズにあった保険設計なんてできないですしね。
商品券は後日受け取れるようで、待ちます。
みなさん、保険自体は人生の中で非常に役立つ「人類の偉大な発明」です。
年金だって保険ですし、医療保険ももちろん保険。どちらも無いと困りますよね。
保険なんか不要、という表面的な薄っぺらい意見に惑わされず、自分にとってどうなのかということをきちんと検証する意味で、一度は保険相談を受けてみてください。
その場合、できれば複数の人に相談する方が良いでしょう。
加入するしないを含めて、間違った選択をすれば、結局困るのはあなた自身ですから。
3月6日追記
到着しました。実際には6000円分来ました。