クラウドゲーム
1980年代にパソコンが世界を変え、1990年代にインターネットが世界を変え、2000年代にスマートフォンとクラウドが世界を変えました。
クラウドなんて、ボクも、iPhoneを使い始めるまで知らない概念でしたよ。
それが今では、クラウド無しでは生活が不可能。
Dropboxも、iCloudも、Gmailもクラウド。
そこへ来て、Googleが新たなクラウドゲームの仕組みを発表しました。
このクラウドゲームが今までと何が違うのかを不動産屋のボクが畑違いな場所から説明します。
インターネットの一般的な構造は、サーバコンピュータとクライアントコンピュータで成り立っています。
ボクたち一般のユーザーが持っているのが、パソコンやスマホやタブレットなどのクライアント。
そして、クライアントにコンテンツを配信するのがサーバです。
ウェブサイトなんかは、サーバでページが用意されていて、それをクライアント側で随時、表示するわけです。
ところが、ゲームに関しては、従来のほとんどのマシンでは、ゲームプログラム本体をクライアントマシンにインストールするのが普通でした。
Nintendo SwitchならNintendo Switch内にゲームプログラムがインストールされます。
そしてSwitchの中でゲームプログラムが動作します。
なので、ゲームのグラフィックの美しさや音楽の美しさは、Switchの性能に左右されます。
PlayStationでも同じです。
高品質の映像や音楽を表現するには、高性能なゲームマシンが必要です。
スマートフォンのゲームでも同じです。
昔のiPhoneよりも最新のiPhoneの方が、より美しい映像のゲームが楽しめますが、それは、最新のiPhoneの方が性能が良いからです。
STADIAは、この概念を覆します。
クライアントは入出力のみ
STADIAの場合は、ゲームのプログラムはサーバに置かれ、サーバ側で作動します。
高度な画像処理などは、すべてサーバ側で行います。
ユーザーの手元にあるパソコンやスマホはユーザーの操作を入力し、映像を出力するだけ。
カンタンに図示すると、
ユーザーが手元のスマホで操作
↓
それがネットを通じてサーバに送られる
↓
ユーザーの操作に基づいてサーバでゲーム処理をし、映像を作成し配信
↓
その映像をユーザーのスマホで表示
これの繰り返しです。
メリットは、ユーザーの手元のスマホが高性能である必要が無くなるコトです。
スマホは単に、入力と表示ができればオーケーです。
何せ、高度な処理は全部、サーバ側でやるんですから。
問題は、サーバとクライアントの間の通信速度ですね。
上記の一連の動作を高速で繰り返す必要があるので、高速な通信速度が求められます。
現在は、固定の光ファイバーのインターネットと、携帯電話の4Gインターネットが中心ですが、数年後には、携帯電話は5Gになり、今よりずっと速くなります。
STADIAはそれを見越したサービスですね。
これまでは、PlayStationやマイクロソフトのXboxなど、クライアントのゲームマシンが高性能化していましたが、Googleによって覆される可能性があります。
なので、ソニーとマイクロソフトと言う、ゲーム業界のライバル同士が連携しました。
どのように活用するのかはわかりませんが、時代が変化するのは間違いありません。
ゲーム以外
今回はゲームの話でしたが、よく考えれば、ゲーム以外でも同じコトが可能ですね。
みんなが、AppleやDellやNECやASUSなどのパソコンやスマホを使う現在。
それらの性能が高い方が快適に作業できます。
でも、それらのクライアントマシンが単に入力と表示だけを請け負うようになれば、高性能なモノは不要になります。
あらゆるパソコンやスマホがネットにつながっていて、処理はすべてサーバで行い、クライアントで結果を表示。
そうなれば、パソコンやスマホの価格は劇的に下がるかも知れません。
その代わりに必要なのが、あらゆる機器がネットにつながる環境ですね。
あらゆるモノがネットにつながるIoTの世界。
それはまさに、従来の、各自が手元に高性能な機器を持つと言う概念を覆すのだと思います。