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分譲マンションを買うのは勇気が必要

分譲マンション

 

 

分譲マンションとは、1戸1戸が別々に販売されているマンションです。

つまり、10戸の分譲マンションであれば、一般的には10人の所有者が存在します。

分譲マンションを買うときに、立地や設備や間取りを気にする人が多いと思いますが、もうひとつ大事な要素があります。

それは他の所有者です。

 

 

運命共同体

 

 

さっき、例として10戸の分譲マンション、と書きました。

この場合は、部屋が10戸あって、10人の所有者。

マンションは当然、土地の上に立っています。

土地は、10人での共有名義となります。

例えば、正方形の土地で、縦が10メートル、横が10メートルだとしましょう。

それを、縦1メートル、横10メートルと細長く区切って、10人でいずれかを所有する場合。それは共有とは言いません。

あくまでも10枚の土地に区切って1人1人が個別に所有しているだけです。

でも、マンションはそんな細長い土地に載っているわけではありません。

あくまでも土地全体に載っています。

つまり、土地全体を、建物を所有する10人で共有するコト。それが分譲マンションの土地所有の特徴です。

 

また、建物に関しても、各戸以外にも、エントランスや廊下などの共用部があります。

共用部は誰か特定の個人の所有物ではありません。

10人の共有です。

 

分譲マンションを買ってローンを払い終えても、毎月、管理費や修繕積立金を支払う必要があります。

それは、エントランスや廊下などの共用部を維持する必要があるからです。

管理費を払わなければ、エントランスや廊下などの共用部を掃除できなくなります。

自分の部屋だけはキレイでも、マンションの入口などが汚い状態になります。

10人が所有するマンションなら、10人で管理費を出し合って、エントランスなどをキレイに維持する必要があるわけですね。

 

この10人の素性が非常に重要になって来ます。

例えば、10人の内、5人が管理費を払わず滞納してしまうと、エントランスや廊下などの清掃費が払えません。

汚くなってきます。

維持するためには、残りの5人で払う必要が出てきます。

管理費倍増ですよね。

もちろん滞納している人に督促すべきですが、失業や病気など、何らかの事情があって、すぐに払えない場合、回収は困難になってきます。

 

あるいは、高齢者で認知症になり、身よりもいない人。

法人名義の部屋なのに、その法人が倒産したようなケース。

 

いずれも、管理費の回収は難しいです。

 

10戸の分譲マンションは10人の運命共同体です。

自分はきっちりとローンや管理費を払っていても、同じマンションの他の戸の所有者が支払わなければ、そのマンションはボロボロになっていきます。

また、分譲マンションの土地は共有なので、1人で自由には使えません。

つまり、購入価格には土地の価格も含まれますが、実際にはその土地は使えない土地です。

さらに言えば、40年も経てば老朽化が激しくなります。

大規模修繕やら建て替えの話も出てきます。

その場合も、他の9人との足並みが揃わないと話が進みません。

自分は建て替えたくないとか、建て替えるおカネが無いと言っても、10人中8人が建て替えに賛成なら、多数決で建て替え派の勝ちです。

 

建物は土地と違って老朽化と言う概念があり、新築で買っても、住み始めた瞬間から中古です。

 

つまり、いったん住んだマンションは中古物件であり、土地の価値もほとんど無く、老朽化したら、他の所有者の意向に左右される。

規模が大きな、戸数が多いマンションほど、自分の権利は相対的に小さくなるわけです。

人生100年時代だと考えれば、30歳で分譲マンションを買って40年間暮らしても、まだ70歳。その頃にはマンションはすっかり老朽化。

そこで建て替えが決議されてしまえば、出て行くしかない。

 

そう考えると、分譲マンションを買うのって、ボクから見て、かなりの勇気が必要だな、と思ってしまうのです。