非天マザー by B-CHAN

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アパート経営のマスターリース、サブリース

家賃保証

 

 

アパート経営をしている大家さんなら誰でも知っているのがマスターリース、サブリースと言うビジネスモデル。

 

大家さんが家賃収入を得るためにアパートを建てたとしましょう。

話をカンタンにするために、カンタンな数字で。

部屋は10戸で家賃は月5万円。

すると月収は50万円です。ただし満室の場合。

もし1戸が空室になれば月収は45万円。

3戸が空室になれば月収は35万円。

 

大家さんは常に、月収が減るリスクを背負っているわけです。

5戸が空室になれば月収は25万円まで減ってしまいます。

それだと、アパートを建てるためのローンの返済ができなくなるかもしれません。

 

そこで存在するのが、マスターリースとサブリース。

大家さんと不動産会社がマスターリース契約を結びます。

マスターリースで不動産会社は大家さんに家賃を保証するんです。

例えば、上記のアパートでマスターリース契約を結んで、不動産会社は大家さんに保証家賃を払います。

保証家賃が40万円としましょう。

すると、大家さんの月収40万円は保証されるわけです。

5戸が空室になれば本来なら月収25万円になってしまうはずが、保証があるので40万円得られます。

そのリスクを大家さんの代わりに不動産会社が負うわけです。

 

 

適正家賃

 

 

では、不動産会社はどうやって儲けるのでしょうか。

答えはカンタン。

必死で空室を埋めるのです。

大家さんとマスターリース契約を結んだ不動産会社は、大家さんには保証家賃を納めますが、代わりにすべての部屋の賃料収入を得ることができます。

つまり、満室になれば月収50万円。

そのうち40万円を大家さんに渡すので、利益は10万円。

満室にさえすれば、毎月10万円の儲けです。

 

この場合、実際に部屋を貸すのは大家さん名義では無く不動産会社名義になります。

不動産会社が入居者と賃貸借契約を結ぶわけです。

この契約をサブリース契約と言います。

実際の入居者にとっては、自分の部屋がサブリースかどうかはあまり関係ありません。

実際、自分が住んでいる部屋がサブリースかどうかを知っている人は少ないでしょう。

 

大家さんにしてみれば、マスターリース契約じゃ無ければ、満室時に50万円得られるんですが、マスターリースによって10万円減っています。

この10万円が保証料相当額ですね。

 

家賃保証なんて使わなくても空室を埋める自信があう大家さんならサブリースを使う必要はありません。ただし空室リスクも自分で負います。

 

マスターリース、サブリースは全国にたくさんあります。

まあ、普通の賃貸借契約が良いか、マスターリース、サブリース方式が良いかは一概に言えません。

ハイリスク・ハイリターンかローリスク・ローリターンのどちらを選ぶかだけの話ですから。

銀行預金に預ければ減る心配も無い代わりに大きく増えることもありません。

株式投資をすれば、大きく減るかもしれない代わりに大きく増えるかもしれません。

それと同じこと。

 

 

会社の信用

 

 

これから賃貸経営をしようとする大家さんが、マスターリース、サブリースで知っておくべきは、家賃保証会社の信用です。

ここで言う信用には2種類の意味があります。

それは、

 

  • 信義としての信用
  • 財務の信用

 

前者は、きちんと契約を継続してくれる会社かどうかです。

例えば、30年一括借り上げと言う言葉を聞いたことがあるかもしれません。

要するに、30年間ずっとマスターリースしますという話です。

30年間は大家さんには固定の収入が約束されるわけです。

でも、実際、30年なんて長すぎるんです。

平成だって、まだやっと30年になろうとしているところです。

建てたアパートは30年の間にどんどん劣化します。

建物の老朽化もそうですが、設備も時代に取り残されていきます。

そうすると家賃を下げていかないと入居者が集まらなくなります。

あなたも目の前に新築アパートと築30年のアパートが同じ広さで同じ家賃なら前者を選ぶでしょ。

しかも30年間に景気の変動もあります。

上記の例で言えば、最初は10万円儲かっていた不動産会社も儲からなくなります。

家賃がずっと5万円なら問題無いんですが、アパートの老朽化で家賃が4万円になったらどうでしょうか。

満室でも40万円。それでも大家さんに40万円を払う必要があるので、不動産会社の儲けはゼロです。

人件費を考えれば赤字です。

そうなると不動産会社は30年一括借り上げなんて言ってられません。

マスターリース契約を解約しないと会社の経営が傾くかもしれません。

そう言う意味での信義です。ホントに大家さんのコトを考えて30年後までの契約を保証してくれるかどうか。

 

そして、財務の信用。

まさに今、書いたとおり。

どんなに会社に信義があっても、赤字なら倒産します。

倒産すれば、家賃の保証なんてできなくなります。

自動的に、空室リスクは大家さんに戻ります。

だから、その会社の財務状態が盤石かどうかと言う信用がとても大事になるんです。

家電量販店が商品券を配っても、その店が倒産してしまえば、券はただの紙切れ。

それと同じ。

 

全国の大家さんは、サブリースには慎重になってください。

ビジネスには必ずリスクがあります。

大事なのはリスクを避けることではありません。それは不可能です。

リスクを事前に把握するのが大切です。