マンション
複数戸の部屋が集まっている大きな建物を日本ではマンションと言います。
これが実にややこしい。
例えば、30戸のマンションがあるとします。
このマンション一棟を1人のオーナーが所有しているのであれば、マンション管理組合は存在しません。
所有者が1人だからです。
そして、30戸をそれぞれ他人に貸すコトで賃料収入を得るわけです。
このマンションの管理は、そのオーナーから委託された賃貸管理会社が行います。
個々の戸の賃貸契約から、建物の廊下の掃除まで。
これがワンオーナーの建物。
分譲賃貸
一方、30戸をそれぞれが別の所有者が持っているマンション。
いわゆる分譲マンションですね。
この場合は、マンションのオーナーは30人います。
その30人による共同運営ですね。
自動的に、マンション管理組合が成立します。
法律で決まっています。
それぞれの戸はオーナーが自分で住んでもいいですし、人に貸してもいいわけです。
人に貸す場合は、どこかの賃貸管理会社に委託するコトが多いですが、30人のオーナーがそれぞれ個別にどこかの賃貸管理会社に任せるため、同じマンションなのに、賃貸管理会社は別々です。
例えば、201号室の室内で起こった不具合は201号室の賃貸管理会社に問い合わせます。
202号室の室内のコトは202号室の賃貸管理会社に問い合わせます。
そりゃそうですね。
部屋ごとにオーナーが違いますから。
さらに、廊下や玄関など、建物の共用部は、マンション管理組合が委託した管理会社がメンテナンスします。
よって、30戸ある分譲マンションで30戸とも賃貸されている場合、賃貸管理会社が30社と建物管理会社1社が存在するわけです。
建物管理会社は建物の共用部のみが業務範囲なので、例えば、201号室の住民の騒音がうるさくても、202号室の住民は建物管理会社に言えません。
言っても何もできないからです。
201がうるさいなら、202の住民は201の賃貸管理会社に言う必要があるのです。
ところが、202の住民が201の賃貸管理会社なんて知るハズも無いですよね。
202の住民は202のオーナーから202の賃貸管理会社を通じて部屋を借りているだけなので。
不動産投資が一般化して、このような分譲賃貸いわゆる分賃が全国に普及しました。
その結果、このような困った事例が発生しています。
解決策としては、202の住民は202の賃貸管理会社に連絡して、202の賃貸管理会社は202のオーナーに連絡します。
202のオーナーはそのマンションの管理組合員なので、201のオーナーのコトも知っています。
そこで、202のオーナーから201のオーナーに連絡をして、201のオーナーは201の賃貸管理会社に連絡をして、201の賃貸管理会社は201の住民に、静かにするように申し入れるわけです。
同じように見える大きなマンションでも一棟オーナーと分賃とでは、トラブル時の解決策が異なるわけです。
何とかなりませんかねえ。