パソコン遠隔操作事件の進展はサイバー捜査では無くリアル捜査
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
パソコン遠隔操作事件については、片山氏が真犯人だと名乗り出たことによって、いったん落ち着きました。
もちろん法治国家である以上、裁判での確定判決が出るまでは犯人とは呼べませんし何が起こるかわからないので、ここでは軽々に言うのは避けます。
一方で、ボクが思うのは、
これから本物のパソコン遠隔操作事件が発生するかもしれない
という事です。
これまでの事件の経過と警察・検察・弁護側のやり取りを見ればわかりますが、片山氏がパソコン遠隔操作事件の犯人である証拠は、河川敷に埋めたスマートフォンしかありません。
つまり、片山氏が河川敷にスマートフォンを埋めなければ、もしかしたら無罪で終わったかもしれないのです。
そうです、警察は河川敷に埋めたスマートフォンというリアルな証拠は掴むことができましたが、パソコン遠隔操作に関しては、何ひとつ証拠を掴めなかったのです。
(情況証拠があるという意見がありますが、状況証拠は、その人が犯人である可能性は示すものの、他の人が犯人である可能性を消すものではありません。)
みなさんご存知の通り、まったく関係のない人が4人も誤認逮捕されました。
これは、警察は証拠が無くても逮捕する事がありうるという意味でもありますし、さらに言えば、警察のサイバー捜査の実力を表している事にもなります。
リアル捜査で捕まえることができたが、サイバー捜査では捕まえられないどころか無関係な人を捕まえた、という事です。
警察には気の毒な言い回しになりますが、一国民としての素直な感想を言うと、警察はリアル捜査には高度な能力がある一方で、サイバー捜査は稚拙、ということになります。
今回はたまたま片山氏が河川敷にスマートフォン埋めたので事件が解決方向に進展しましたが、警察がサイバー捜査に弱いと考え、今後、別の誰かが、完全にサイバー世界だけで事件を起こす可能性もあるって事です。
もちろん警察は誤認逮捕に関しては慎重になるでしょうが、次の犯罪者はもしかしたら、ボクやあなたをターゲットにするかもしれません。
あなたが全く知らない間に、あなたのメールアドレスで脅迫文が送られ、それに基いて警察があなたを逮捕しに来る。
そして真犯人は、河川敷にスマートフォンを埋めるような墓穴を掘らず、あくまでもサイバー空間だけの活動をする。
果たしてあなたは自分が犯人では無いと言って乗り切ることができるでしょうか(※)。
今回の事件を見てしまうと、そういう想像ができてしまうだけに、非常に恐ろしいです。
実は、めでたしめでたしでは無いんですね。
むしろ大きな問題が明らかにされてしまったわけです。
※ちなみに刑事司法では、有罪である事を立証する責任は警察・検察にあり、被疑者が自分を無罪であると証明する責任はありませんし、自分が無罪である事を証明できないからといって有罪にはなりません。これは法治国家の大大大原則です。