スタイリッシュパソコンの代名詞、VAIO
ソニーがあまりの業績不振で、とうとうパソコン事業の売却を発表しましたね。
ソニーのパソコンといえばVAIO。
紫色のカッコイイ超薄型ノートで初登場したときのことを今も覚えています。
ボクもこれまでに2台のVAIOを所有して使ってきました。
どちらもスタイリッシュかつ斬新なデザインでした。
多少、価格は高めでしたが、スタイリッシュで他のパソコンとは違う感覚で使えるので好きでした。
しかし、いくら本体がカッコよくても、起動すれば、他のパソコンと同じWindows。
ソニーらしさは無く、マイクロソフトらしい画面でした。
長年、Windowsパソコンを使い続けたボクも、その後、Macに手を出すことになるんですが、MacはVAIOに負けず、本体はスタイリッシュ。
その上、OSもWindowsではなく、Mac OS X。
これが使いやすい。
「うおおお!Macってデザインだけが特長じゃなくて、こんなに使いやすいのかああああ!」
と驚いて今に至るわけです。
思えば、あのスタイリッシュなVAIOが、その後、紆余曲折してしまったのが低迷の原因だったのかな。
さて、そんなVAIOをソニーが手放すわけです。
買収するのは、日本産業パートナーズ(JIP)という会社。
ここはメーカーではなく投資会社です。
ファンドの仕事はプロジェクトの価値向上
ボクもファンドで仕事をしたことがあるので、よくわかるんですが、投資会社というのは、どこかの会社を買収したり、何らかのプロジェクトにオカネをつぎ込みます。
つまり投資ですね。
そして、その会社を高く売却して儲けたり、プロジェクトで儲けたりします。
例えば、100億円で買った会社を130億円で売れば30億円の儲けですね。
ここで重要なのは時間です。
30億円儲かると言っても、売却までに30年もかかったら、1年あたりの儲けは1億円にしかなりませんし、そもそも30年後まで儲けはありません。
投資というのは買ってから売るまでは早いほうが良いわけです。
ハゲタカ、なんていう人もいますが、安く買って高く売るのは、世の中のすべての仕事の基本です。
あなたがサラリーマンなら、あなたが勤めている会社もそうしていますし、あなたが経営者なら、あなたもそうしているでしょう。
当たり前ですよね。
1000円で仕入れたものを1000円で売ってたら、あっという間に倒産ですし、社員に給料も出せません。
VAIOには大勢のファンがいると思います。
最近でこそ低迷していたとは言え、VAIOはブランドです。
Macと並んで、スタイリッシュなパソコンの代名詞です。
JIPという会社が、そのVAIOをどうするでしょうか?
さっきも書いたように、JIPはできるだけ早く、投資の結果を出す必要があります。
つまりVAIO事業を買った時よりも高く売る必要があります。
高く売るためには、その事業が買い手にとって魅力あるようにする必要があります。
買い手にとって魅力あるとは、ずばり、儲かることです。
いまのソニーはVAIOが儲からないから手放します。
しかしJIPは儲からないまま放置するわけには行きません。
儲かるようにしていきます。
儲かるというのは利益を上げるという意味です。
利益を上げるには当然、なるべく高い価格でたくさん売る必要があります。
たくさん売るためには消費者にとってVAIOが魅力的である必要があります。
つまり、低迷しているVAIOを、できるだけ早く、ふたたび魅力あるものにしていく。
これがJIPが事業買収を成功させる方法です。
そういう意味で、ボクは、VAIOがソニーじゃ無くなることに、あまり心配はしていません。
むしろ、大企業ソニーという足かせが外れることで、今までできなかった新しい魅力を出してくる可能性があります。
期待しましょう。