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非天マザー by B-CHAN

iPhoneの使い方、IT、金融、経済、不動産、保険、ビジネス、音楽、映画、ニュース、自己啓発などを語ります。

携帯電話各社の2012年9月の純増とMNPを見て、こう思ったんですがいかがですか?

iPhone ビジネス 携帯電話

まずはおさらい

携帯電話キャリア各社の9月の純増とMNPが発表されました。
ここで用語のおさらいをしておきましょう。
まず純増について。
純増は増加とは違います。
純増は、増加から減少を引いた後の数字です。
例えば、増加が100で解約が30なら純増は70です。
時々、
「純増は大きくても、どうせ解約も大きくて実際には増えてないんだろ?」
と言っている人がいますが、その表現は間違いですね。
純増はすでに解約分を引いた後の数字ですから、純増が大きいと言う事は実際に契約がそれだけ増えているということです。
SoftBankが純増1位を続けていますが、これはもちろん解約を引いた後の数字が1位と言う事なので、実際にdocomoやauよりも契約数を増やし続けている事になります。
次にMNPという用語について。
モバイルナンバーポータビリティーの略で、要するに他社への乗り換えということです。
つまり、あくまでも契約の方法という意味であり、純増が全体の契約数の増加分を表すとすれば、MNPはその内訳ということになります。
携帯電話キャリア会社が純増を獲得するには、MNPかそれ以外のどちらかということです。
なので、MNPの数が純増数を超える事はありませんし、MNPと純増とでどちらが良いかという風に並立扱いするモノでもありません。
あくまでも、純増の一部がMNPです。


では2012年9月の数字を見てみましょう

電気通信事業者協会(TCA)が発表した2012年9月の携帯電話キャリアの数字を見てみましょう。

  • docomo……純増158,600件、MNPは95,200件の流出
  • au……純増224,900件、そのうち95,300件をMNPで獲得
  • SoftBank……純増320,200件、MNPは1,200件

いつもどおり、純増1位はSoftBank、MNP1位はauでしたね。
では図に書いてみましょう。

2012年9月の純増


この図を見ながら説明しますね。
まずは一番下のdocomoを見てください。
docomoは新規で253,800件(赤い文字)獲っています。黒い太枠の部分です。
ただし、そのうち、57,300件(ピンク色)がauへ、37,900件(緑色)がSoftBankへ流れてしまっています。
なので、最初にも書いたように、契約増加から解約を引いた158,600件(青い横棒)が純増です。
次にauを見てみます。
新規マーケットからは129,600件(黒い太枠)しか獲れていないんですが、docomoからは57,300件(ピンク色)が、そしてSoftBankから38,000件(オレンジ色)が流れて来ているので、すべて足すと純増として224,900件(青い横棒)に繋がっています。
最後にSoftBank。
新規マーケットから319,000件(黒い太枠)を獲り、さらにdocomoから37,900件(緑色)とイー・アクセスから1,300件(水色)を獲っています。
一方でauに38,000件(オレンジ色)が流出しています。
差し引きすると純増は320,200件(青い横棒)となっています。


各社の課題

では図からわかることを分析してみましょう。
まずdocomo。
図を見ればわかるように、せっかく新規マーケットからたくさんの契約を獲得しているのに、他社にかなりの数が流れています。
MNPというのは会社どうしの競争の観点で言えば、通常の契約や解約と比べて2倍のインパクトがあります。
例えば総契約数5件のA社と総契約数2件のB社があるとします。その差は3件ですね。
もしA社の契約が単に1件減るだけなら、A社は4件、B社は2件なので、その差は2件に縮まるだけです。
しかしMNPでA社の契約が1件B社に移れば、A社は4件、B社は3件となり、その差は1件にまで縮まります。
MNPは1件動くだけで両社の差は2件分変化するわけです。
docomoがMNPで95,200件も流出させたということは、docomoと他社の総契約数は1ヵ月でMNP分だけでも194,000件も縮まったと言う事になります。
さっき見たように、docomoは新規マーケットから253,800件も獲得する能力があるので、まだまだ営業能力は非常に強いです。
市場の拡大に貢献していると言えます。
あとは他社への流出をどうやって防ぐかが大きな課題ですが、流出の原因の多くはiPhoneでしょうから、docomoによるiPhoneへの対抗策がどうなるかがカギですね。
さっきも書いたように単純解約と比べてMNPによる解約はシェア争いの点では2倍のインパクトがあります。
次にauを見てみましょう。
docomoが1ヵ月で158,600件分(純増)大きくなる間に、auは224,900件分も大きくなったので、成長の勢いはauの方が上です。
ただし、新規マーケットから獲得できたのは129,600件だけなので、市場の拡大への貢献度で言えば、253,800件を獲得したdocomoの半分程度です。
実に95,300件分は他社からの流入(MNP)です。
これは既存の携帯電話ユーザーの目から見て、auの製品やサービスが優れていると映ったからで、特に昨年のiPhone4S参入後はMNPがずっと1位になっていますから、iPhoneとauの施策の組み合わせが正解だったという事です。
一方で、新規マーケットからの獲得能力は3社の中では最下位なので、もし他社がauよりも良い製品やサービスを出してきてMNPでの獲得ができなくなったときには非常に苦しくなります。
また、新規マーケットから獲得できていないということは、市場の拡大への貢献力は一番下ということです。
市場の拡大では無く、既存の成熟マーケットからの獲得合戦は企業体力を消耗する事に繋がります。
最後にSoftBank。
相変わらずの純増1位です。docomoが1ヵ月で158,600件分、auが1ヵ月で224,900件分大きくなる間に、一番母数の小さなSoftBankが320,200件分も大きくなっているわけですから、携帯電話会社としての成長力はダントツの1位です。
auがMNPでは1位ですが、会社としては成長させる事が大きな使命なので、獲得方法がMNPであろうが新規獲得であろうが、一番たくさんの契約を増やしたSoftBankに勢いがあるのは間違いの無いところです。
auの発表によれば、先月(8月)と比べてSoftBankからのMNPが3倍になったそうです。
9月のSoftBankからauへのMNPは上記の図のように38,000件なので、8月は13,000件ほどだったということがわかりますね。
SoftBankにしてみれば、auへの流出分をかろうじてdocomoやイー・アクセスからの流入でカバーしたということになり、9月はMNPはなんとかプラス1,200件を確保しています。
SoftBankのすごいところは、新規マーケットから319,000件も確保する力があるので、市場の拡大に大きく貢献していることです。
このあたりは同じiPhoneを扱いながら、auとSoftBankのカラーが全く対称的である事を意味しています。
企業経営の観点で言えば、収益力を上げる事が重要です。
ご存じの人も多いと思いますが、携帯電話キャリア各社は、MNPで入ってくるユーザーには手厚い優遇策をとります。
実際、auやSoftBankのiPhone5のホームページを見ればわかりますが、新規の契約よりも、他社からのMNPでの契約の方が値引き額が大きいです。
値引き額が大きいと言う事は、キャリア側にとってみれば、得られる収益が少なくなるということです。
auもSoftBankも料金体系は複雑ですが、簡単に言えば、両社とも毎月の料金体系はほとんど同じだと言えるので、MNPの比率が非常に大きなauは収益面では不利になると言う事です。
契約者数の少ないSoftBankがauよりも高い利益率を叩き出すのは、それだけ効率的な経営を行っているということがわかります。
例えば、10時間働いて、1万円稼いだAさんと、商売繁盛で忙しくて12時間働いて8,000円稼いだBさんがいるとします。
Bさんが商売繁盛で忙しいのは良い事ですが、経営者としてはAさんの方が優秀で、auの課題は、このAさんになれるかどうかです。
8月までは総契約数でauグループが2位でしたが、9月の純増でSoftBankがauに95,300件(320,200件 - 224,900件)の差を付けた事で、SoftBankグループがauグループを逆転し、2位グループになってしまいました。
auとしては、とにかく純増でSoftBankを上回らないと、総契約者数はますます広がってしまいます。
以上、9月の数字を見て、各社の特徴を個人的に分析してみました。


スマホ時代になり、キャリア乗り換えが簡単に

ボクはこれまではSoftBankのiPhoneを使ってきましたが、MNPした方がユーザーとしては得なので、auにMNPする可能性が高いです。
それ以降も2年ごとにMNPすると思います。
これは、言い換えれば、両社のサービスに際だった差が無いと言う事です。どちらかに際だったメリットがあれば、そちらのキャリアに残る事も考えますが、それが無いので、単にお得なMNPをひんぱんに利用しようと考えるわけです。
スマホの時代になり、電話番号もメールアドレスも変える事無くキャリアを乗り換える事が簡単になりましたし。


せっかくのスマートフォンなので、キャリアメールではなくGmailを使いませんか?はるかに便利ですから。


ボクの個人的な考え方は、これまでにも書いたとおりのこれです。


どこかの企業のファンになることは損という考え方


docomoが勝とうがauが勝とうがSoftBankが勝とうが、ボクはどれの関係者でもないので、特に一喜一憂はありません。
大事なのはユーザーにメリットがあることです。
全体のシェアで言えば、docomoがまだまだ大きく、auとSoftBankを足してやっとdocomoを超える程度です。
一般の経済学の話しになりますが、市場での占有度が大きな企業の製品・サービスは価格が高くなります。
ボクはdocomoの契約も持っていますので、もっともっとdocomoのシェアが小さくなって、料金が下がる事を望んでいます。
auにもSoftBankにももっともっとがんばってほしいです。
そういった経済学的な理論は、これまでにもこのブログで書いてきたので、興味あれば読んでみてください。
ブログの「カテゴリー」欄で、「ファイナンス」や「ビジネス」をクリックしてもらえば、そういった記事が出てきます。
例えば、こんな記事です。


経済学を全く知らない人だけにオススメの経済学……需要と供給と物価の決まり方
無借金経営って良いこと?(ファイナンスの基本)


まだまだLTEのサービスは始まったばかりですし、SoftBankはイー・アクセスを買収してしまいました。
これまでの動きはあくまでも過去のモノであり、これから先はどうなるかはまったくわかりません。
個人的には、まだまだ大激変が起これば面白いなと思っています。


※気付いた人もいるでしょうが、実際には上記の図は単純化してあります。
例えば、契約を5件獲得して1件解約しても純増は4件になりますし、契約を10件獲得して6件解約しても純増は同じ4件になります。
また、他社からの流入が5件で他社への流出が1件でもMNPは4件になりますし、他社からの流入が10件で他社への流出が6件でもMNPは4件になります。
上記の図で言えば、auはdocomoから57300件が単純に流れ込んでいるように描いてますが、もしかしたら、docomoから10万件流入し、逆にdocomoへ42700件流出していてもやはりMNPは57300件になります。
ただし、そこまでの細かい情報は開示されていませんし、実際にもしそうだとしても差し引きすれば実質的には同じ事なので、わかりやすくするために、上記の図のように単純化したわけです。
またイー・アクセスの情報が開示されていませんが、これも同じ理由で差し引きした数字を描いてつじつまを合わせています。
以上、細かい事が気になる人は自分で調べてみてください。


参考リンク
KDDIのMNP純増が10万件に迫る 目立つソフトバンクからの流入
KDDI、“iPhone 5 効果”で“圧勝”、MNP 12か月連続首位に -- 9月の携帯電話契約数
「MNPの割合が過去最高に」 - iPhone 5発売の影響をKDDIに聞いてみた
2012年9月携帯契約数はiPhone5効果で明暗くっきり。ソフトバンクグループが実質二位に。
「iPhone 5」の料金を比較…新規・MNPは同じだが?



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