非天マザー by B-CHAN

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TPPは国民全員に重要な影響を与えるので、自分は関係ないと思っている人は寝ぼけている場合じゃ無いですよ

国民全員に大きく関係するTPP

皆さん、TPPのこと、気にしてますか?
これに日本が参加するかどうかで、ボクも含め日本国民全員の生活がめちゃくちゃ苦しくなるかどうかの命運が決まる可能性があるので、誰もが興味を持って注意しておく必要があります。
TPPを簡単に説明します。TPPの正式名称などは調べればわかることなので、各自調べてください。
TPPというのは、ものすごく簡単に言うと、参加国間で関税を無くそうという取り決めです。
関税というのは外国のものを輸入するときに税金を掛けて販売価格を引き上げるというものです。
例えば日本の農家がある農作物を200円で販売するとします。それ以上安くすると赤字になってしまうので下げられません。
そこへ外国から安い農作物が輸入されて150円で販売されるとします。
多くの人は安い方を買いますから、結果として国内の農作物は売れなくなり、国内農家は廃業せざるを得なくなります。
食料自給率が低い日本で農家が廃業すると、さらに自給率は下がってしまいますし、失業率も上がってしまいます。
日本にその農家がいなくなると輸入品を買うしかありませんから、輸入品が150円から200円に値上がりしても、それを選ぶしかないわけです。
つまり日本は生産者を滅ぼされて自国で作れなくなり失業率が上げられたあげくに外国産の高いモノを買う羽目になります。
何のメリットもありません。
一方の輸出はどうでしょう。日本は自動車や家電製品などの輸出国です。
これらを外国で売るときに完全がかからなくなるので、外国で安く売れます。これはメリットです。
しかし、ここで見落としがちなのは為替レートなんですね。
今、空前の円高と言うことはご存じだと思います。
つまり、日本製品は外国では非常に高い価格になっているのです。ここポイント。
TPPは当初はシンガポールやチリなど、小国のための貿易活性化と地位向上を目的として考案されました。
ところが、今はアメリカという大国が参加するという枠組みになっています。
そこに日本が参加すると参加10カ国のうち日本とアメリカの2国のGDPが90%以上を占めてしまうんです。
つまり、TPPとは言いながら、ほとんど日本とアメリカとの間の貿易協定と言っても良いようなことになってしまいます。
これが何を意味するかわかりますか?
要はTPPに参加するとアメリカの大規模農家の農産物が安く入ってきて、逆に日本が得意とする工業製品がアメリカに行きやすくなると言うことです。
なので、日本国内では農家を中心として反対運動が巻き起こっていますし(生きるか死ぬかですから当然です)、日本経団連など工業界メンバーは賛成しており、真っ二つです。
しかし、考えてみてください。小国ならともかく、アメリカは超大国です。
為替レートに与える影響力は圧倒的にアメリカが大きいのです。
現時点でも日本が震災の影響などで国力が落ちているはずなのに、空前の円高です。
つまり日本の影響力よりもアメリカの影響力が上回っているから円安に振れないんですよね。
となると、せっかく関税撤廃で日本の輸出に有利に働いても、アメリカの力で為替レートがさらに円高に振られることで、輸出産業のメリットも吹き飛んでしまいます。
輸入では国内が大打撃を受け、輸出のメリットは吹き飛ぶ、という話です。
過去、オレンジの輸入自由化をするときに、日本のみかん農家は壊滅すると言われながら実は生き残りました。
だから今回のTPPでも日本の農家は生き残れるんじゃ無いか、との意見もあります。
確かに壊滅せずに、ものすごい努力でいくらかは生き残るかも知れません。が、生き残ったとしてもTPPによって何のメリットがあるんでしょうか?
生き残った農家も生活が苦しくなっているだけです。
これは農家と工業だけの話ではありません。
農家にもダメージを与え、輸出にもメリットが無いとなれば、日本としてトータルではマイナスです。
となると、日本全体の失業率は上がり、消費は落ち込みます。つまり、あらゆる産業の業績は下がるわけです。
あまり詳しくは書きませんが、経済というのは乗数効果が働きます。
例えば、誰かが10%の消費を控えたとします。
すると、本来は10%の売り上げを得るはずだった企業が10%を得られなくなりますから、従業員に払う給料も減らすしかありません。するとその従業員も消費を減らします。するとそれを得るはずだった企業もまた給料を減らします。以下繰り返し。
つまり、誰かが10%消費を控えると、それが食物連鎖のようにつながっていくのです。最初の10%の買い控えが、それよりもずっと大きな経済停滞を産んでしまうんです。
これを乗数効果と言います。
例えば乗数が1.5だとすれば、誰かが消費を10%控えれば、日本全体では15%の景気減速になります。
日本の中で農家の数は人口全体の一部ですが、その人たちが職を失うことによるマイナスの乗数効果は日本中の産業に広がります。
つまりすべての国民が打撃を受けるんです。
影響力の強いアメリカという超大国がTPPに参加するという話になった時点で、当初のTPPの枠食いとは意味合いが大きく変わりました。
そのTPPに参加することは個々の立場の人に取ってみればメリットを享受出来る人もいるでしょう。だから賛成する人もいるわけです。
しかし日本全体のトータルで考えれば、上記のようにマイナス要素しか見当たらないとボクは思っています。
昨日発表されましたが、すでに日本の人口は減少していますし、この先も長期にわたって減り続けます。一方のアメリカはこの先も人口は増え続けます。インド、中国、アメリカの3大国はこの先も長く人口増加が続くのです。
日本がこれからも成長して力を増すのならともかく、人口減少で必然的に力を失うときに、TPPに参加してデメリットしか得られないとなると、日本の経済力減退を加速させるだけだと思うんですよ。
日本は毎年3万人以上の自殺者が出ている国です。もちろん死にたくて死んでいるのではありません。大半は景気のせいです。東日本大震災の死者数をはるかに超える自殺者がしかも毎年発生しているわけです。
景気減速によってさらに増えるでしょう。次はもしかしたら、あなたの、あるいはボクの周りの人かも知れませんし、ボク自身かもしれません。
あなたの親や配偶者や子供が景気のおかげで自ら命を絶ったらどう思いますか?それがこの国では実際に毎年何万件も起こっているんですよ。何の罪も犯していないのに死刑宣告をされたのと同じ事ですよ。
そう考えると、原発反対デモや反韓流デモよりもTPP反対運動をするほうが重要では無いでしょうか?
自由競争の元に置いて、競争力を付ける必要性は十分に理解していますが、今のTPPの枠組みではボクは反対せざるを得ません。
競争力が付く前に死者が多数出ると思います。