所得税
最近、ボクが、なるほどと思った話があります。
日本の労働者は、ほぼ全員が所得を得ていて、その所得に対して所得税がかかっています。
所得税を細かく説明すると膨大な作業になるので、ここではカンタンに、そして単純化します。
所得税は、所得が大きくなるほど税率が上がります。
例えば、所得が300万円の人なら10%で所得が400万円の人なら15%、みたいな。
この数値はデタラメです。
あくまでも話をカンタンにするためにテキトーに単純な数値を使っただけです。
ホントの税率を知りたければ各自で調べてください。
とにかく、所得が上がるほど税率も上がります。
物価
ここ数年、物価上昇が続いています。
そこで企業は、賃金を上げる傾向にあります。
これの意味を考えてみてください。
ここでも話を単純化しますね。
例えば、物価が5万円上がって、賃金も5万円上がったとしたら。
これってプラスマイナスゼロなので、要するに労働者にとってメリットはありません。
賃金上昇のニュースだけを見て喜んでも意味が無いのです。
そして、ここで問題が起こります。
所得が300万円の人が400万円になったとします。
賃金の上昇を喜べるでしょうか。
もし、物価も100万円上昇したのなら、差引きゼロなので、暮らしは良くなりませんよね。
でも、300万円の所得が400万円になったコトで税率は10%から15%に上昇します。
気付きましたか?
所得が100万円上がっても物価も100万円上がったのなら、収支の面ではメリット無し。
なのに所得が上がったせいで税率も上がる。
そうです。
トータルではマイナスなのです。
これはいまの日本の大きな落とし穴。
政府は賃金上昇を推進していますが、その結果、多くの人が、むしろ苦しくなるんですね。
繰り返し言いますが、賃金上昇のニュースだけで喜んでいる場合ではありません。
政策として必要なのは、賃金上昇と物価上昇を勘案した税率区分の変更なのです。
いまの政府にこれができるかどうか。
できなければ、賃金上昇と物価上昇と税率上昇で、前よりも苦しくなる人が増えます。