ユーザーが使っているアプリを調べる
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
iPhoneのTwitter公式アプリの新しい仕様が物議を醸しています。
ユーザーのiPhoneにインストールされたアプリを調べてTwitter社に送信する機能です。
この仕様はあらかじめオンになっていますが、ユーザー側でオフにすることもできます。
やり方は、AppBankさんの記事がわかりやすいので、載せておきます。
Twitter公式アプリが開始したインストール済アプリの情報収集をオフにする方法 - たのしいiPhone! AppBank
この機能、まだすべてのTwitterユーザーに行き渡っているわけでは無いようで、現時点ではボクのTwitterアプリでは、この設定は見当たりません。
情報送信の是非について
こうやってユーザー側の情報を送信する機能については、たびたび話題になります。
例えば、有名なのは、バイドゥ社のアンドロイド用キーボードが入力情報をユーザーの許可無く送信していた問題があります。
iPhoneで他社製キーボードのフルアクセスを許可すると個人情報が送信されるという誤解 - 非天マザー by B-CHAN
世の中は個人情報に関して厳格になっているんですが、では、企業は、なぜ個人情報を収集するんでしょうか。
これを読んでいる読者の多くは企業で働いていると思うので、給料をもらっているプロとして自分たちの会社の利益のことも考えて読んでみてください。
例えば、あなたが飲食店の経営者だとしましょう。
来店したお客さんにアンケート用紙を記入してもらい、住所や氏名、誕生日とともに、料理の満足度や要望などを書いてもらいます。
それによって、そのお客さんの好きな食材がエビであることがわかったとします。
あなたは、そのお客さんの誕生日が近づいたら、そのお客さんに案内を出します。
「お誕生日おめでとうございます。お誕生日の前後1週間のいずれかの日にご来店、ご飲食いただければ、特製エビ料理をプレゼントいたします。」
お客さんの情報を事前に知ったことによって、お客さんに最適なサービスを提供することができます。
お客さんにとっては他の人と違う特別なサービスを受けられることができ、店にとっては来店誘致に繋げることができます。
両者にとって満足を得られます。Win-Winの関係ですね。
別の例を見てみましょう。
例えば、コンビニやスーパーなどの小売店。
レジにはPOSシステムが導入されています。
POSシステムは何月何日にどの商品が売れたかという情報を集計するシステムです。店によっては店員は買い物客の性別や年齢層もレジに入力します。
こういう情報を集積することによって、店側は売れ筋商品や売れる時間帯を把握することができます。
すると、良く売れる商品は在庫をしっかり確保できるので、買い物客にとっては品切れで買えないという事態を防ぐことができますし、店も売る機会を逃すこと(機械損失)を回避できるわけです。
これまたWin-Winですね。
個人情報を収集する、と聞いただけで無条件に毛嫌いする人もいますが、ひとくくりで考えることには問題があります。
収集されたほうがメリットがある情報、収集されても特に影響の無い情報、収集されるとマズい情報、にわけて考える必要があります。
上記の飲食店やコンビニの事例は、情報を収集されることによって、企業だけでは無く、消費者にもメリットがある事例です。
逆に、個人情報を収集されることによって、詐欺の被害に遭うこともあります。そういう情報収集は悪い情報収集ですよね。
情報収集することで有名なのはGoogle。
ボクもGoogleのサービスはたくさん使っています。
Gmail、Googleカレンダー、Googleマップ、アドレス帳他。
どのように情報収集されているかはよくわかりませんが、例えばボクはGmailを10年くらい使っています。
しかし、それによってボクが何か被害を被ったことはありません。
逆にGoogleは莫大な量の情報を収集することによって、新機能の開発や技術改良の役に立て、その快適さをユーザーは享受できるわけです。
ユーザーが支持するということは企業が儲かるというこtです。
民間企業が経営を続け、従業員に給料を支払うためには利益を生み出す必要があります。
利益を生み出すにはユーザーからの支持が必要です。
ユーザーからの支持を得るにはユーザーにメリットの製品やサービスを提供する必要があります。
ユーザーのメリットを知る最善の方法はユーザーの要望を聞くことです。
つまり、ユーザーから情報を集めることです。
トヨタのプリウスという自動車は世界の自動車メーカーを大きく引き離してハイブリッドカーのベストセラーを走っています。
トヨタは数多くのプリウスユーザーから数多くのフィードバックを受けられるのです。
これは販売台数の他社では絶対に真似のできないことなんです。
圧倒的に多くのフィードバック、つまり情報収集をすることによって、他社を引き離す開発を行うことができ、それがまた多くのユーザーの満足度を高めるわけです。
それくらい、企業にとっての情報収集は重要で、それによって企業は利益を生み出す、つまり、多くのユーザーの満足度を高めることになります。
今回のTwitter社による情報収集も、Twitter社が無意味に行うのではなく、Twitter社の利益のために行うのです。
Twitter社の利益ということは、ユーザーからの支持を獲得するという意味なので、情報収集の目的はユーザーの満足度アップということになります。
ボクは別に無条件に情報を提供しましょうということを言いたいのではありません。
さっき書いたように、情報収集の種類と影響度、メリットとデメリットをきちんと考えて、行ったほうが良い情報収集と、悪い情報収集を区別する必要があると言っているのです。
自分にとって被害をもたらすリスクが小さく、一方でユーザーメリットを高める可能性があるのなら、ボクは情報を提供しようと思います。
どのみち、完全に情報を隠すことはできませんからね。
例えば、ボクは元銀行員なので言いますが、銀行なんて、顧客の現金、住所、氏名、生年月日、職業、印影などを預かっています。
つまり超重要な個人情報に加えて実際の資産まで預かっているわけです。
銀行員は、誰がどこに住んでいて、どんな印鑑を使っていて、どれくらいのおカネを持っているかを知り放題で、しかも実際のおカネも握っているのです。
実際、過去には、銀行員が起こした犯罪はいくらでもあります。
Twitter社にアプリ情報を提供するのさえ心配だというのなら、銀行なんて危険すぎてとても使えません。
でもその論法はおかしいですよね。
どんなことにもリスクはあります。
クルマや電車に乗れば事故に遭うかもしれません。
それでも利用するのです。
なぜならリスクをはるかに超えるメリットがあるからです。
ネットショッピングのリスクと店に買いに行くリスク - 非天マザー by B-CHAN
何でもかんでも情報収集は悪、と決めつけるのではなく、銀行やクルマのような考え方で、メリットとリスクのバランスを考えるのが大切だと思います。