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為替が決まる要因をわかりやすく解説

購買力平価 

 

みなさん、こんにちは!

B-CHANです。

 

この2年間の円安進行はものすごいですね。

2012年11月には、1ドル=約80円

2013年11月には、1ドル=約100円

2013年11月には、1ドル=約118円

ものすごい変化です。

 

為替の推移グラフを見てください。

 


USドル/円の為替レートの推移 - 世界経済のネタ帳

 

 

こういう短期的で急激な為替の変化には、もちろん何らかの理由があって、今回なら、日銀のいわゆる異次元の金融緩和が効いています。

 

ここで、物価の変動について、これを読んでください。

 


経済学を全く知らない人だけにオススメの経済学……需要と供給と物価の決まり方 - 非天マザー by B-CHAN

 

 

需要が増えれば価格が上がり、需要が減れば価格は下がります。

供給が増えれば価格は下がり、供給が減れば価格は上がります。

これを覚えておきましょう。

そして、為替も物価の変動の理屈が当てはまります。

供給が増えれば、物価は下がります。

異次元緩和で日本円が大量に供給されたので、円の価格が下がったわけです。

 

こんなふうに、短期的には為替は個々の要因で動くんですが、長期的にはどうでしょう。

さっきの為替グラフを見ると、1990年頃から20年間ほど、上げ下げを繰り返しながらもジワジワと円高が進行しました。

この期間、日本ではどんな経済状態だったかというと、バブル経済が崩壊した後の不況で、いわゆる失われた20年と言われた期間です。

デフレが進み、人々も景気低迷を実感する時代でした。

細かい上下はあったものの、20年という長期に渡って円高の進行とデフレが並行して進みました。

ここで仮説を立てます。

 

デフレの国の通貨の価格は上昇する。

 

果てさて、これは合っているでしょうか。

これを理論的に考えてみましょう。

 

為替が、1ドル=100円だと仮定します。

キャラメル1箱を考えてください。

日本では、キャラメル1箱は100円、

アメリカでは、キャラメル1箱は1ドル、

つまり、日本でもアメリカでもキャラメルの価格は同じです。

 

ここから日本でデフレが進行したとします。

デフレによって、日本ではキャラメル1箱が25円になりました。

こうなると日本のキャラメルがアメリカに輸出する人が登場します。

なぜなら、日本ではキャラメル1箱を25円で買えるのに、それをアメリカでは1ドル、つまり100円で売れるからです。

1ドルあれば日本ではキャラメルを4つも買えるんですね。

しかし、日本でキャラメルを買うためには日本円が必要になります。

特にアメリカの人はドルしか持っていないので、ドルを円に交換します。

こうやって日本円の需要は高まります。

日本円の需要が高まると日本円の価格は上がります。

こうやって為替は動きます。

円はどこまで上がるでしょうか。

例えば、1ドル=50円、まで円高になったとしましょう。

すると、1ドルでアメリカではキャラメルを1箱しか買えませんが、日本ではキャラメル2箱を買うことができます。

まだ日本からアメリカへの輸出は続きます。

さらに円高になって、1ドル=25円になったらどうでしょう。

1ドルで、日本ではキャラメル1箱を買えることになります。アメリカでも1ドルでキャラメル1箱です。

こうなると、日本でもアメリカでもキャラメルの価格は同じですよね。

1ドル出して日本でキャラメルを1箱買って、それをアメリカで1ドルで売っても儲けにはなりません。

こうなるともう、日本からアメリカへキャラメルを輸出する人はいなくなります。

すると、日本円の需要もこれ以上増えないので、円高の進行も止まります。

 

整理すると、日本でデフレが発生すると、日本とアメリカで価格差が生まれ、輸出が行われた結果、円の需要が高まり、円高になる。

そうです。

仮説がきちんと成り立ちました。

 

さっきも書いたように短期的には個々の要因が影響しますが、長期的には次の理論が成り立ちます。

 

デフレの国の通貨は上がり、インフレの国の通貨は下がる。

 

こうやって国家間で物価に差が生じても、為替レートが変動して実質的な価格水準が同一に落ち着くことを購買力平価と呼びます。

もちろん、実際の経済は多種多様な要因が絡んでいます。為替の交換には手数料がかかりますし、貿易には関税がかかります。

貿易される物品はキャラメルだけでは無いですし、人間の好き嫌いの問題や気候変動、戦争など、様々な要因が経済には影響します。

なので上記のように価格が4分の1になったから為替レートがきっちり4倍になるということはありません。

しかし、上記のような仕組みで為替が動くという理論は知っておいて損はありません。

なぜなら理論を知っているということは、その理論を使って、経済問題を解消できるからです。

ここ2年の大幅な円安も、供給を増やせば価格は下がるという経済の基本的な理論を実行しただけです。

自動車やコンピュータを動かすのに物理学の理論が必要なように、経済を動かすのに経済学の理論が必要です。

もちろん、国家の問題だけではなく、企業の戦略すなわち経営にも経済学の知識は活かせますし活かす必要があります。

今回の記事に興味を持った人は、ぜひ経済学を学んでみてください。

ミクロ経済学・マクロ経済学の基礎だけでも、実はとても面白いんですよ。

ホントは高校生の授業に取り入れて欲しいくらいです。みんな関係あるんですから。

 

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