無線LANの自由化と暗号化のテクニカルな問題
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
日本時間の今夜、深夜2時からAppleのWWDCが始まります。
毎年恒例のイベントで、Appleの新製品が発表されるので、世界中の注目を集め、日本では深夜になるので寝ないで中継を見る人も多いですね。
どうせ翌朝になれば色んなウェブサイトで情報があふれるんですが、ボクも毎年リアルタイムで見てしまっていることが多いです。
今夜もそんな予感。
ところで先日、無線LANビジネス推進連絡会という組織が、大規模災害のときに誰もが無料で使えるようになる無線LANの規格を発表したんですよ。
ASCII.jp:世界初、災害用統一SSID「00000JAPAN」が制定
"00000JAPAN"という名前の無線LANスポットが大規模災害時に無料開放されます。
大規模災害時には携帯電話の回線が使えなくなる可能性があるので、補完的に無線LANスポットが使えると、連絡を取り合うのに助かりますよね。
ところが、この00000JAPAN、ひとつ大きな問題があります。
それは、通信が暗号化されていないこと。
無線通信が暗号化されていないということは、通信内容がバレてしまうということです。
大規模災害時に、00000JAPANが開放され、大勢の一般的な人がこの無線LANに繋いで通信を行うと、待ってましたとばかりに、これを傍受する人が出てくるかもしれません。
まさに火事場ドロボウですね。
通信内容がバレバレなのが気になって、結局、肝心なときに使うのをためらうようになると本末転倒ですが……。
無線LANは必ず暗号化されたモノを使いましょう、とボクは以前から書いています。
無線LAN(Wi-Fi)スポットのセキュリティには要注意 - 非天マザー by B-CHAN
次の画面はiPhoneの「設定」アプリ内の「Wi-Fi」の画面です。
鍵マークがあるのが暗号化された無線LANスポット、鍵マークが無いのが暗号化されてない無線LANスポットです。
使う時は、鍵マークのある無線LANスポットを使いましょう。
それにしても大規模災害時に役立つはずの、00000JAPANが暗号化無し。
どうやら、今の無線LANの仕様では、
- 誰でも自由に繋げられること
- 暗号化
の両立は技術的に無理っぽいのです、聞いた話ですが。
暗号化する場合は、接続するのにパスワードが必要になるらしくて、そうなると大規模災害時にパスワードを知らない人は接続できない。
というわけで、パスワードの必要な暗号化通信よりも、通信傍受のリスクを取ってでも誰でも接続できる方を選んだようです。
なので、いざ災害時にこれを使う人は、火事場泥棒に気を付けて、銀行口座の暗証番号とかサイトのパスワードなどを送信しないようにしましょうね。
将来的に、だれでも接続でき、かつ暗号化された無線LANの仕様が実用化されればいいんですが。
そんなわけで、今夜午前2時のWWDCに向けて仮眠しましょっか!
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