DRMを無くせば世の中が便利になる
いよいよこんなニュースがやって来ましたね。
ビクターエンタなどが音楽配信のDRM撤廃へ−エイベックスらも。スマホ移行を睨む
DRMってのを知らない人に簡単に言うと、著作権を保護するための仕組みです。
これまで日本では多くの音楽ファイルはダウンロードしても簡単にコピーできませんでした。
例えば紙の書籍はコピー機で簡単にコピーできますよね。
しかしコピー機でコピーした物は品質も紙質も変わってしまうので厳密にはコピーとは言えません。
あくまでも中身がコピーされたと言うことで、個人で使う限りはコピー機でのコピーは自由にできます。
(コピー機でコピーした物を著作権者に無断で販売するのはダメです。)
音楽でも昔はCDやレコードからカセットテープやMDへのダビングは問題ありませんでした。
元であるCDはデジタルで、ダビング先のMDもデジタルですが、わざと音質を落とすようにダビングされるので紙の書籍と同じく、厳密にはコピーでは無かったわけです。
レコードやカセットテープはアナログなので、元々のデータはダビングによって変化しており、これももちろんコピーではありません。
でもコンピュータや携帯電話の音楽データというのはデジタルです。
Aという携帯電話でダウンロードした音楽をBという携帯電話やCというパソコンにコピーすると、まったく同じモノができあがります。
インターネットが普及した現在、まったく同じコピーが瞬く間に広がってしまう恐れがあり、音楽事業者としては死活問題と言うことで簡単にコピーできない仕組みを取り入れていたわけです。
それがDRMです。
簡単に言えばAという携帯電話でダウンロードした音楽を、Bという携帯電話に買い換えたら、Aという携帯電話では聞けません。
1台しか認めないわけですね。
こうすれば安易にコピーが広がる懸念を防ぐことができます。
しかし音楽というのは必ずしも1台の再生装置で聞きたいわけではありません。
外出時には携帯電話、家ではパソコンと使い分けたいものです。
しかし1台という制限だとそういう便利な使い方はできません。
実際にはDRMは5台までなど、会社によって規則は違いますが、制限付きで複数の機器を認めていましたが、いずれにしても機器を買い換えたり増やしたりしたときにとても不便でした。
音楽事業者や著作権者の利益を守るために消費者の利便性を犠牲にする。
これは仕方がありませんが、消費者の利便性が犠牲になったおかげで敬遠が起き、音楽の売上自体が落ち、結局、音楽事業者や著作権者にダメージを与えるという別の側面も見えて来ました。
ところで、世界最大の音楽配信事業者と言えばApple。
実はAppleはすでに5年ほど前からDRMを撤廃していました。
つまりAppleのiTunesミュージックストアでダウンロード購入した音楽はiPodでもパソコンでも自由に聴く事ができるのです。
これによってユーザーは機械の違いを意識すること無く、普通にパソコンでもiPodでもiPhoneでも気楽に音楽を聴くことができます。
一方でAppleの音楽事業が苦境になったという話も聞きません。
日本の主要音楽事業者はそれに遅れること数年。
ついに大きな決断をしたと言えます。
DRMフリーになることによってもたらされるのは消費者の利便性。
一方で音楽ファイルを簡単にコピーできることになれば、悪用する人が出てくることも想定されます。
例えば自分がダウンロード購入した音楽を簡単に友達にメールなので送ってしまえるわけです。
しかしこれは明確な著作権法違反行為。
違法行為がはびこって業界にダメージを与えれば、再び不便なDRMが復活することにもなりかねません。
皆さん。
モノはおカネを出して買うのが当たり前です。
店で万引きをすることも、音楽ファイルをタダで配るのも同じことです。
みんなの利便性を上げるために事業者も動いたわけですから、みんなもルールを守って利便性が続けられるようにしましょう。
あ、なんかいいこと言った。
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