帰宅経路アイコンを作る
この記事は、前々回、前回の続きで、完結編です。
iPhoneで、どこにいても一発で帰宅経路を表示するアイコンを作る方法
iPhoneで、どこにいても一発で帰宅経路を表示するアイコンを作る方法(作成編)
前回の記事では、
- 現在地から
- 千代田区丸の内1-1-1まで
- 電車で
移動する経路検索をマップで表示できました。
経路検索に必要なのは、
- 出発地
- 目的地
- 手段
の3つですから、その3つを指定する必要があります。
前回の記事では、それをどこで指定したでしょうか?
これです。
http://maps.google.com/maps?daddr=千代田区丸の内1-1-1&saddr=現在地&dirflg=r&t=m
一見、魔法の呪文のようですが、当然、きちんと意味があり、コンピュータはそれを理解して処理をしているだけです。
大切なのは、コンピュータに理解できても人間に理解できなければ意味が無いと言うことです。
上記の長い呪文をちょっと分解してみましょう。
すると、とても簡単になるのであら不思議。
1行目…http://maps.google.com/maps
2行目…?
3行目…daddr=千代田区丸の内1-1-1
4行目…&
5行目…現在地
6行目…&
7行目…dirflg=r
8行目…&
9行目…t=m
こんな感じです。
ちょっと一定のルールが見えてきませんか?
上の行から説明します。
1行目
これってインターネットのWebサイトのアドレスに付けられているURLと同じ形式ですよね。
iPhoneではこういったURLを使ってアプリを起動する事ができるんです。
こういう仕組みを世間では「URLスキーマ」と呼んだりしていますね。
このURLはiPhoneのマップアプリを起動するためのものです。
あ、そう、と思ってもらえればそれでいいです。
2行目
?
1行目でマップアプリを起動するためのURLを説明しましたが、単に起動するだけでは出発地や目的地がどこかわかりません。
それらをURLの後ろに続けて書くんですが、いきなり続けるのでは無く間に「?」という記号を挟むというルールになっています。
これも、あ、そう、と思うだけで結構です。
3行目
daddr=千代田区丸の内1-1-1
前回の記事を読んだ人は、ここが目的地を表していることがわかりますね。
「daddr=」に続けて目的地の住所を書けばいいんです。
つまり、帰宅経路を探すのなら、ここにあなたの自宅の住所を入れればOK。
書き方は次のようなものが可能です。
・「千代田区丸の内1-1-1」のような住所。
・「35.69022,139.69992」のような緯度と経度。この場合は半角数字で書き、緯度と経度の間はコンマで区切ります。
・「東京ドーム」「ローソン」「郵便局」のような施設名。
例えば、daddr=郵便局、と書けば最寄りの郵便局が目的地となるようです。
ちなみに、daddrはDestination(目的地)Address(住所)の略ですね。
4行目
&
3行目で目的地を書いたので次は出発地を書くのかな〜と思いますが、そのままつなげて書くと見にくいので、間に「&」を挟みます。
こうすると、ちょっとだけ見やすいですよね。
5行目
saddr=現在地
3行目では目的地を書きましたが、ここには出発地を書きます。
出発地も目的地と同じように、きちんと住所や施設名などを書いてもいいんですが、こんなふうに「現在地」と書いてあげると、あなたがどこにいてもiPhoneはGPS機能を利用して、ちゃんと今いる位置を現在地に設定してくれます。
これならいちいち出発地を入力しなくて良いので便利ですよね。
ちなみに、saddrはSource(元の)Address(住所)の略だと思います、たぶん。
6行目
&
これは4行目の「&」と同じで、次の項目との間に挟むためのものです。
7行目
dirflg=r
さあ、目的地と出発地が決まったら、あとは移動手段です。
iPhoneのマップアプリでは、ルートを検索するときに、
- 自動車
- 公共交通機関(鉄道)
- 徒歩
の3種類が選べますけど、それをあらかじめここで決めておくわけです。
「dirfld=」の後ろに、次のいずれかを書きます。
- 自動車=d
- 公共交通機関(鉄道)=r
- 徒歩=w
なので、dirflg=wと書けば、徒歩での経路が表示されます。
たぶん、dはDrive(ドライブ)、rはRailways(レイルウェイズ=鉄道)、wはWalking(ウォーキング)の略なんでしょうね。
dirflgは何の略でしょうねえ。dirはコンピュータでは一般的にはDirectory(ディレクトリ=指示)という意味で使われますし、flgはFlag(フラッグ=旗、しるし)ですね。
要するに移動手段を指示するしるし、ということでしょうかね。
8行目
&
これは4行目、6行目と同じです。
9行目
t=m
さて最後の項目です。
マップアプリには、「標準マップ」、「航空写真」、「地図+写真」という3つの表示モードがあります。
それぞれ、
- 標準マップ=m
- 航空写真=k
- 地図+写真=h
を指定します。例えば、航空写真を表示したければ、t=K、と書くわけです。
tはType of map display(表示の種類)の略らしいです。
以上、それぞれの項目を見てみました。
こうやって分解すると、それぞれに意味があることがわかりますし、全然難しくないですよね。
ここまでわかれば、ワンタッチで好きな経路検索をするアイコンを作ることができます。
例えば、
大阪駅から東京駅までの鉄道経路を標準マップで表示したいなら、
http://maps.google.com/maps?daddr=大阪駅&saddr=東京駅&dirflg=r&t=m
現在地から東京スカイツリーまでの徒歩での経路を航空写真で表示したいなら、
http://maps.google.com/maps?daddr=東京スカイツリー&saddr=現在地&dirflg=w&t=k
と言った感じです。
実際にどんどん作って練習してみましょうね。
http://maps.google.com/maps?daddr=●●●&saddr=●●●&dirflg=r&t=m
は毎回入力するのは面倒なので、iPhoneのメモアプリなどに保存しておくと便利ですね。
実は、マップアプリには上記に紹介した、daddrやsaddr、dirflgやt以外にもたくさんの項目があります。
これはGoogleマップの仕様なんですけどね。
これ以上は専門的になるので、ここでは説明しませんが、プログラミングに興味がある人は、以下のページを読んでみてください。
Apple URL Scheme Reference Map Links
Google Map Parameters
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