非天マザー by B-CHAN

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価格が高い料理ほどおいしいという話は2つの意味で間違い

好みは人それぞれという当たり前のことをなぜ忘れるのだろう

まず、そもそも論なんですけど、人間でも物事でも、うわべでは無く中身で判断するのはとても大切なことです。
高い料理だからおいしい、安い料理だからおいしくない、というのは中身では無くうわべ(価格)で判断してるわけで、その時点で信頼性に欠けます。
おいしいかどうかは食べてこそわかるものです。
タイトルに2つの意味でと書いたので2つ説明します。

価格は需要と供給で決まる

まず1つ目。
以前、モノの価格に関する記事を書きました。
読んでない人は読んでみてください。

経済学を全く知らない人だけにオススメの経済学……需要と供給と物価の決まり方


料理の価格でも携帯電話料金でも美容室のカット料金でも何でも、資本主義市場では価格は需要と供給で決まります。
つまり高い料理がおいしいのでも安い料理がおいしくないのでもありません。
スーパーで毎日、野菜や肉や魚の価格を観察してみてください。
例えばキャベツが豊作の年は一玉100円で買えることもあれば不作の年は一玉200円になったりします。
価格が2倍になったからと言ってキャベツの味が2倍おいしくなったわけではありません。同じです。
価格が変動したのは供給量によります。
というわけで高い料理ほどおいしいと言っている時点で、その人は、残念ながら自分の味覚に信頼性が無いことをアピールしているようなものです。
100万円のワインと千円のワインとを飲み比べてもどっちがどっちかを言い当てられない人はたくさんいますが、それは当たり前のことなんです。
価格で味が決まるのでは無いんですから。

好みは人それぞれ異なる

そして2つ目。
味覚は人によって異なります。
肉が好きな人もいれば魚が好きな人もいます。
甘党もいれば、そうで無い人もいます。
100人のうち90人がおいしいという料理でも、自分は残りの10人に入るかもしれません。
100人中90人がおいしいから自分もそれをおいしいというのはウソになります。
もしその料理が高価なものであったとしても自分には当てはまらないわけです。
逆に100人中90人がおいしくないという料理でも、自分は残りの10人に入るかもしれませんし、もしその料理が安いものであっても、自分には当てはまらないわけです。
つまり価格とおいしさはつながりません。
おいしさの基準は人によって異なると言うことです。
仮に高価な料理を100人が食べておいしいという人が90人いたとしても、それは価格によるものでは無く偶然です。
3000円の料金で100人の人に映画を見せて、そのうち90人が面白いと言ったとしたら、その映画が1000円だとしてもやはり面白いと言うのと同じ事です。
この料理は2倍おいしいから2倍の価格を付けよう、なんて売り方はしません。
あくまでも価格は需要と供給で決まります。
考えれば当たり前のことなんですが、世の中では当たり前の考え方が抜け落ちて、おかしな理屈がまかり通ってしまいます。
味の好みなんてのは絶対基準なんて存在しなくて、個人個人の嗜好の問題です。
なのに、
「あんなマズイものをよく食えるよな」
という他人批判をする人がいます。
批判というのは、相手が他人に迷惑を掛けているとか他人に害を与えているような場合に、それをやめさせる目的でするものであって、嗜好の違いを批判するというのはお門違いです。
ボクはラーメン食べ歩きが趣味ですが、いろんなラーメンのブログを読んでいると、
「こんなマズイラーメン屋に並んでいる人たちはバカだ」
という論調の人がたまにいます。
嗜好の違いはあるのが当然なのに、自分と嗜好の違う人を馬鹿にしているわけですね。
つまり、人間の嗜好は全員が同じはず、というおかしな思考をしてしまっています。
なぜそんな簡単な間違いを犯してしまうのか、不思議なことです。


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