非天マザー by B-CHAN

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2012年12月の携帯電話の純増数とMNP数が発表されて思ったこと。

携帯3社の規模が近づくほどユーザーにメリット


2012年12月の携帯電話大手3社の純増数とMNPが発表されましたね。


KDDI、MNP での契約者獲得で15か月連続首位 -- “ひとり勝ち”の要因は?


順位はいつも通りです。


純増
SoftBank:274,700
au:239,200
docomo:235,100


MNP
au:102,400
SoftBank:30,900
docomo:▲132,100


契約数
docomo:60,988,100
au:36,817,200
SoftBank:31,322,000


あいかわらず純増ではSoftBankがトップ、MNPではauがトップですね。
ボクが以前書いた記事に図を載せてるのでご覧ください。図は2012年8月のモノですが、数値が違うだけで構造は同じです。


純増ではDoCoMoが独り負けなのに携帯電話の販売台数ランキングではDoCoMoが圧勝している件を理論的に検証する


同じような図をまた描くのも面倒なので描きませんが、図から各社の特徴が見えてきますね。
まず上に書いたように、2012年は独り負けのdocomoはそれでもまだ約6100万契約もあります。
auの約3700万とSoftBankの約3100万を合計してやっとdocomoを超える程度で、とにかくdocomoは大きいです。
ユーザーにとっては競争が激化してサービスや価格が改善してくれる事が一番なので、auやSoftBankにはもっとがんばってもらってdocomoの契約数を脅かすほどになって欲しいものです。
こういう考え方があります。

ドコモからiPhoneが出るという報道でドコモユーザーが懸念すること


auやSoftBankが契約数でdocomoを脅かすにはとにかく純増数を増やすしかありません。MNPではダメです。
MNPはあくまでも純増数の一部でしか無いので、契約数の面ではMNPは意味が無いです。
例えば上記2012年12月ですが、auは確かにMNPでは102,400件獲得して他社に勝っていますが、それも含めて増加した契約数は239,200件です。
一方でdocomoはMNPで132,100件も流出していながら、純増では235,100件獲得しています。
auの契約が239,200件増える間にdocomoは235,100件増えています。
つまりauは1ヵ月でたったの4,100件しかdocomoに迫っていません。
SoftBankは純増が274,700件だったので1ヵ月で39,600件、docomoと差を詰めたことになります。
ずっと純増1位をひた走るSoftBankは契約数でdocomoやauにどんどん詰め寄っていることになります。
また新規で契約を取ることに比べてMNPは販促費などのコストがかかるので、携帯電話会社の利益を押し下げる効果があります。
例えばボクもSoftBankからauにMNPしたおかげでauの料金が毎月980円割り引かれます(MNPの特典)。
auは純増239,200件のうちMNPが102,400件なので、残りの136,800件が新規マーケットからの契約です。
SoftBankは純増274,700件のうちMNPが30,900件なので、残りの243,800件が新規マーケットからの契約です。
docomoはMNPがマイナス132,100件にも関わらず純増が235,100件あるのえ、新規マーケットから367,200件も獲ってきた事になります。
つまり、コストが相対的に高いMNPよりも、コストが相対的に低い新規マーケットからたくさん契約を獲ってきたほうが利益には貢献しやすくなります。
auがdocomoやSoftBankよりも営業利益で見劣りするのは、こういったことが効いているように思います。
SoftBankが旧ボーダフォンを買収して携帯電話事業に参入したのが2006年。
当時の3社のシェアは以下の通り。
docomo:55.7%
au:27.8%
SoftBank:16.5%
つまりSoftBankはわずか16.5%のシェアの会社を買収したわけです。
それが2012年夏には、
docomo:46.5%
au:27.4%
SoftBank:23.0%
イー・アクセス:3.2%
となっています。
各社とも契約数そのものは増やしていますが、市場での勢いはSoftBankの独り勝ちで、残念ながらauはシェアを伸ばしていません。
さっきも書いたように、ユーザーにとっての最大のメリットは競争激化による価格とサービスの改善なので、auにはもっとがんばって欲しいと願うばかりです。
そのためには、もう何年も獲っていない純増1位をSoftBankから奪い去る事が必要です。
2012年12月の数字を見ていると3社ともかなり接近した数値なので、もしかしたら近いうちに逆転があるかもしれません。
引き続き目が離せなくて面白い携帯電話マーケットです。


純増の話をすると、あいかわらず、
「でも解約も多いんでしょう?」
と言っている人がいますが、純増というのは解約分を差し引いた後の数値ですのでお間違えなく。