非天マザー by B-CHAN

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阪神大震災から18年。あの日、経験したこと。

今日で阪神大震災から18年。
ボクは当日は兵庫県宝塚市に住んでいました。
当時は震度8なんて報道されていました。後に震度7に修正されましたが、それほど揺れが激しかったと言うことです。
まず予震と言うんでしょうか。
ずいぶん大きな揺れが来ました。
経験したことの無い揺れです。
その直後に激しい横揺れ。これが長く続きました。
ボクはベッドで寝ていたんですが、あまりに大きな揺れが長いので、もしかして天井が落ちてくるかもと思い、ベッドの横に降りてうずくまりました。
体感的には1分くらいでしょうか。実際にどれくらいの間揺れていたのかはわかりません。
揺れが収まったとき、まずは部屋の灯りを付けようと立ち上がりました。
何かを踏みました。
そうです。部屋のモノがすべて散乱していました。
今考えれば当然ですが灯りは点きません。停電です。
仕方が無いので真っ暗の中、外に向かいました。
近所中の人々が集合していました。
驚くことに、目の前の家はがれきの山になっていました。
その隣の家の中から、
「助けてえっ!助けてえっ!」
と悲鳴が聞こえていました。
1階がゆがんでしまって窓もドアも開かないので、はしごで2階から侵入して救出しました。
血だらけの女性でした。
徐々に夜が明けて明るくなってきました。
歩道橋が落ちて地面に突き刺さっていたり、たくさんの家々ががれきの山になっていたり、とにかく大変なことが起こったことを目の当たりにしました。
午前中は近所の救出活動。
午前10時頃だった気がしますが、突然部屋のテレビのスイッチが入りました。
停電が復旧したのです。
そのとたん、近所で爆発音。
がれきの山に埋もれていた電線に通電したため、引火して爆発したのです。
ガス管も壊れていたので当然ガス漏れもありました。
かなりの恐怖を感じましたが消化器を持って走り回りました。
昼になっても食事は当然無し。近所のコンビニには人が殺到していて商品は無くなっていました。
レジが使えないので、店主は1品200円の定額で配っていました。
昼過ぎに、ボクの先輩が、
「神戸に住む元カノが心配だ」
と言ったので、ボクの車で宝塚から神戸に向かうことにしました。
当時は震災の知識も無く、救援も全然来てなかったので、クルマで動くことが良くない事すら知るよしもありませんでした。
クルマの中では先輩とボクは努めて明るく話しました。
国道171号線の高架道路が西宮市内で丸ごと落下していました。
他も多くの道ががれきや建物でふさがれて通行できませんでした。
普段なら宝塚から神戸までなら1時間もあれば着きますが、その日は7時間ほどかかったと記憶しています。
夜の7時過ぎ頃に先輩の元カノの家に着きましたが、家はがれきの山。
もはや人が中にいるのかどうか、生きているのかどうかすらわかりませんでした。
照明類も破壊されていて真っ暗です。
それまで明るくがんばっていた先輩もさすがに無言になりました。
ボクも無言になりました。
夜になっても食べ物は手に入りませんでした。
帰りは国道43号線。
見事に、あまりにも見事に阪神高速道路は横に倒れていました。
その時点でも救援らしい物も無く、規制も張られていないので、ボクたちは横倒しになった高速道路に驚きながら帰路を走りました。
住宅地には何軒も燃えている家があり、人々がとぼとぼと歩いていました。
傾いたまま静止しているビルもたくさんありました。
1階部分や2階部分がぺしゃんこに潰れているマンションもたくさんありました。
あの中で死んでいる人もたくさんいたんだと思いますが、確認もできません。
どこをどうやって帰ったのか、その後は良く覚えていません。
18年たった今でも、ボクは地震の揺れを感じると、全身に鳥肌が立ちます。
ビルの中にいると、上の階が落ちてきてぺしゃんこになるんじゃないかと思い、外に飛び出してしまいます。
東日本大震災を経験した東北の人たちは、そういった揺れに加えて、沿岸部の人は津波も経験しました。
無事に生き残った人たちも、あの経験は一生消えないと思います。
悪い意味で体に染みついてしまったと思います。
今後も地震があるたびに、体に異変が起こる人もいるでしょう。
でも生き残った以上、悪い出来事は悪い出来事で終わらせてしまったら負けです。
経験していない人たちは、ボクは地震のたびに逃げるのを見て、変に思うかも知れません。
しかし、無事で済めば、ちょっと恥ずかしい思いをするだけで終わりです。
でも本当に大きな揺れなら、逃げることで生死を分けるかもしれません。
経験していない人たちは、経験して生き残った人たちからぜひ学んでください。
命を落とすことと、ちょっと恥ずかしい思いをすること、どちらを選ぶべきかは明確です。
このブログにもこれまで地震の時の心がけを何度か書きました。
検索欄に「地震」というキーワードを入れて検索して読んでみてください。
読んだ人が何らかのノウハウを得て、いつか必ず来る地震の時に生き残ってくれれば、ボクも書いた甲斐があったというものです。