効果を測定するには比較が必要なのに
みなさん、こんにちは!
まずは、このニュースを読んでください。
↓
パワースポット効果スゴすぎ!「20代の半数が恋愛成就した」と判明
要するに、パワースポットに行った人の約50%が恋愛成就したという記事です。
だからパワースポットの効果がすごいと書いています。
はい、頭の良いみなさんなら、この記事の間違いに気付きましたよね。
ボクもこのブログで、このような事例の間違いを何度も指摘してきました。
間違いである理由
簡単な別の話で説明します。
ある人が赤いボールを10回投げたら、7回ストライクが入ったとします。
それを見た人が、
「すごい!赤いボールって効果あるんだな〜。」
と言いました。
ところが、今度は白いボールを10回投げたら、8回ストライクが入りました。
赤いボールに特に効果は無かったわけです。
でも、赤いボールだけの結果を見ると、赤いボールに効果があるかのような勘違いをしてしまうわけです。
あるモノに効果があるかどうかを調べるには、それを使った場合と使わなかった場合を比較しなければなりません。
ごくごく当たり前の話です。
パワースポットの話も同じです。
パワースポットに行った人の約50%が恋愛成就したからと言って、パワースポットに効果があったかどうかはわかりません。
なぜなら、もしかしたら、パワースポットに行かなかったら、60%の人が恋愛成就したかも知れないからです。
つまり、パワースポットに行った場合と行かなかった場合を比較しないと、パワースポットの効果はわからないんです。
でも実際には、同じ人が、パワースポットに行った人生と行かなかった人生の両方を送ることはできないので、比較はできません。
つまり、パワースポットに効果があったかどうかなんてわからないのです。
赤いボールの話を見ればわかるように、こんなのは小学生でもわかる話です。
なのに大勢の大人が間違える。
論文のミスを色んな人がツッコんだりしてますが、世の中、そういうモノです。
正しい数値にこだわる大切な理由
ボクがなぜ、こういう事を書くか。
例えば、病気に50%の確率で効く薬と80%の確率で効く薬があったら、後者を使ったほうが病気が治る可能性が高いわけです。
でも、誤った情報に基いて、前者を選んでしまったら、その患者さんは不幸になる確率が上がります。
正しい情報に基いて正しい判断をすることは、人の役に立てるんです。
だから、世の中の多くの人が、正しい情報に基づいて正しい判断をして、たくさんの幸せを得てほしいと思っているのです。
関連記事
多くの人の読み間違いで炎上に発展するインターネット……津田大介氏の「天ぷら」発言に対する読み間違い - 非天マザー
店員の悪ふざけを批判する、さらに悪質な大人たち - 非天マザー
逆は必ずしも真ならず(顔が変わった人は整形なのか) - 非天マザー
価格が高い料理ほどおいしいというありがちな話は2つの意味で間違い - 非天マザー
宝くじと期待値と大数の法則と必ず儲かるビジネスの話 - 非天マザー
経済学を全く知らない人だけにオススメの経済学……需要と供給と物価の決まり方 - 非天マザー