スマートフォンのシェア
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
世界のモバイルOSの世界では、Androidがシェアの大半を握り、AppleのiOSがそれに続きます。
Androidのシェアは85%、2大OSで96% 第3のOSにチャンス無し?
ひとつ確認しておく必要があるのは、シェアの大きな製品が優れた製品だとは限らないということです。
例えば衣料品のマーケットではユニクロがトップシェアですが、ユニクロより高品質の衣料品は他にいくらでもあります。
自動車のマーケットでは軽自動車やコンパクトカーが売れていますが、それらより高品質な自動車は他にいくらでもあります。
モノが売れる要因にはいくつかありますが、価格も大きな要因です。
ユニクロも軽自動車も価格が支持されています。軽自動車は燃費も良いですが、燃費が良いということは燃料代が安く済むので、これまた価格訴求ですよね。
もちろん価格に関わらず品質で売れる製品もあります。
では、スマートフォンはどうでしょうか。
さっきのページをもう一度見てみると、Androidは半数以上がローエンド端末、つまり安い端末が売れています。
途上国では、iPhoneが欲しくても高くて買えないのでAndroid機を買っている人がたくさんいます。
一部のマニアや職業の人はスマートフォンを性能や仕様で選びますが大半の人は、そんなことよりも価格で選びます。
Android機でもiPhoneでも、日常生活でできることはほとんど変わらないからです。
必然的に、Androidの、しかも安い端末のシェアは大きくなるわけです。
Androidのファンの人たちとAppleのファンの人たちが、シェアの話を持ちだして、どちらが優れているという議論をしていますが、シェアは価格で決まるので、シェアの大きさと端末の優劣は直接関係ありませんし、むしろ高品質な製品ほど価格が高くなるのでシェアは小さくなります。
Appleの立場
日本の自動車メーカーでは販売台数では、マツダは、トヨタ、日産、ホンダに続いて4位です。
例えば、もしボクがマツダの販売台数を1位にしようと思えば簡単です。
マツダのクルマをすべて50万円で売ればいいんです。
スポーツカーもセダンもミニバンも全部50万円。
激安で、売れまくるでしょう。あっという間にトヨタを抜いて販売台数ナンバーワンになります。
しかし台数でナンバーワンになりますが、巨額の赤字になります。
シェアで物事を語ることはあくまでも一面に過ぎないということです。
価格を上げ過ぎると製品が売れなくて企業は利益を出せません。
価格を下げ過ぎるとコストを回収できなくて企業は利益を出せません。
Appleがシェアを取るのも簡単です。
価格をAndroidのローエンド端末並みに引き下げればいいんです。
そうすれば、世界中のAndroidのマーケットを一気に奪い去るでしょう。
でもそうすれば、Appleの利益は無くなります。
いま、Appleという会社は販売台数シェアではAndroidに負けているものの、Android機を売っている他のメーカーが束になっても勝てないほど多くの利益をあげています。
企業の目的は利益を生み出すことで、それによって従業員にしっかりと給料を払ったり出資してくれている株主に還元できるわけです。
ものすごくたくさんの数を売っているのに利益が出なければ、それは働けど働けど稼ぎにならない、まるでブラック企業の世界です。
つまり、安い端末で大きなシェアを取ることが必ずしも良いわけでは無いんですね。
それでもAppleは販売台数シェアを気にします。
なので去年はiPhone5cという少し安い端末を出しました。
しかし、もともとiPhoneはその製造方法や使用パーツなどが高品質なので、安いパーツを使うAndroidのローエンド端末のように価格を下げられず、販売台数シェアは奪えませんでした。
その代わり、たくさん売れているAndroidのローエンド端末と比べると圧倒的に快適な操作感を誇るわけです。
そうなると、
- 高品質で高価格で販売台数シェアは取れないけれど大きな利益を生み出す製品
- 低品質で低価格でたくさんの台数が売れるけど利益を生み出さない製品
Appleが取るべきは当然前者です。
Appleファン(今はオカネが無いから買えないけど、いつか買いたいと思っている人を含む)は、Appleに低品質の製品を望んでないでしょうし、低品質でも安ければいいと言う人は、そもそもAndroidのローエンド端末を買うでしょう。
もしAppleがローエンド端末市場に手を出せば、それは多くの企業がひしめき合うレッド・オーシャンに飛び込むだけです。
シェアは取れるでしょうが、利益を失います。
利益を失った企業はいずれ衰退します。
Appleは販売台数シェアではなくブランドイメージを維持するだけの品質の製品を作り続け、そこで得られる大きな利益を研究開発に投資し、次の新ジャンルの製品を生み出すべきでしょうね。
MacもiPodもiPhoneもiPadも、それまでユーザーがほとんどいなかったところに製品を送り込み、マーケットを掘り起こした製品です。
既存の巨大マーケットに後から参入した事例は、Appleにはほとんどありません。
つまりAppleはブルー・オーシャンを生み出す会社です。
ただ、ブルー・オーシャンはいずれ多くの企業が参入し、レッド・オーシャンになります。
Appleは価格訴求して、その他大勢の中の1社になるべきではありません。
それがAppleの宿命だと思います。
正直、とても難しい立場にあると思いますが、世界中の企業の中でそれができる数少ない会社のひとつだと思います。
あさって、9月9日に発表されるであろう新製品には、そういう意味で注目したいです。