テレビのコメンテーターは論理的思考力がある人がなるべき
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
先日の岡山での女児誘拐事件。
女の子が無事に救出されたのが何よりでした。
あの容疑者宅にはアニメ関連グッズがあったということで、例に漏れず、テレビではアニメに批判的なことをいうコメンテーター(テリー伊藤氏)がいたそうです。
女児誘拐事件、アニメの影響を指摘したテリー発言に「またアニメが悪者か」 - Ameba News [アメーバニュース]
(1/2) 女児監禁事件、部屋に美少女アニメポスターと報道 「事件と関係ないだろ」とネットで反発の声 : J-CASTニュース
この手の事件が起こった時には、物事を好き嫌いで判断すると間違えます。
好きな人は擁護するでしょうし嫌いな人は批判するからです。
なので好き嫌いは抜きにして、このテリー伊藤氏の発言が正しいかどうかを論理的・客観的に考えてみます。
と言っても簡単なんですけどね。
先に結論を言うと、テリー伊藤氏の発言は間違いです。
その理由を説明します。
まず、以下の2点は事実です。
- 容疑者宅にはアニメ関連グッズがあったこと
- 容疑者が女児を誘拐したこと
この場合、容疑者とアニメグッズとの因果関係には2通り考えられます。
- 容疑者は女児に対する趣向があるので、そういう関係のアニメグッズを集めたり誘拐したりした
これは元々、容疑者は女児に対する強い趣向があり、だからそれに関連するようなアニメグッズを買ったり誘拐に及んだ、というパターン。
- 女児アニメグッズから妄想が膨らんで女児誘拐に及んだ
これは容疑者がアニメグッズから影響を受けて女児を誘拐する行動に及んだパターン。
1.の場合だと元々、容疑者には女児に強い趣向があったわけで、それが原因で女児アニメを買ったり女児誘拐を行ったりしたわけです。つまり、アニメから影響を受けたというのは間違いです。
2.の場合は、まさにアニメから影響を受けて犯行に及んだパターン。つまりテリー伊藤氏の指摘するパターンですね。
というわけでおわかりの通り、現時点では2通りの可能性が考えられるわけです。
しかしテリー伊藤氏はその点について検証も行わずに、2.であると断定しているわけです。
2.の可能性ももちろんありますが、1.の可能性が消えていない以上、2.であると断定するのは誤りです。
なのでテリー伊藤氏の発言は間違いです。
逆に言えば、事件とアニメとは関係無いと断言するのも、これまた間違いです。
なんだそんなことか、と思われるかもしれませんが、刑事事件において、この考え方は非常に重要です。
例えば、ある事件が起こった時に現場にA、B、Cの3人の人物がいたとします。
警察がAに向かって、
「事件当時に現場にいたのだからお前が犯人だろう。」
と言ったらどうですか?
間違いですよね。
Aが犯人である可能性もありますが、Bである可能性もあり、Cである可能性もあります。
つまり、Aが犯人であると断定するためには、Bが犯人である可能性を消し、Cが犯人である可能性も消す必要があるのです。
それを行わないうちにAが犯人であると断定するのは誤りです。
もちろんAが犯人で無いと断定するのも間違いです。
日本では「疑わしきは罰せず」、外国でも「推定無罪」という言葉があるように、他の可能性が排除できないうちに断定するのは刑事司法上のタブーですし、刑事司法上以外でも同様です。
警察は、最近だとパソコン遠隔操作事件などで、そういう過ちを犯しています。
過ちを犯すということは罪の無い人が犯人に仕立て上げられる、つまり、誤認逮捕やえん罪を生む危険があります。
テリー伊藤氏の発言も、テレビという公共の電波に乗る放送である以上、慎重かつ正確であるべきです。
正直、コメンテーターには向いてない人物だと思います。
同様の趣旨の発言をしている他のマスコミも同様です。