銀行
ボクは元銀行員ですが、銀行しか知らずに一生を終えるのもツマラナイので転職しました。
何度も転職しました。
銀行員以外の人がよく持つ疑問として、
なぜ、ATMは客が機械を操作しているだけなのに手数料を取られるの、
と言うモノがあります。
それに答えます。
サービスを受けている
まあ確かに、窓口で手続きするのと違って、ATMは機械なので、銀行員の手を煩わしておらず、そう言う意味では、手数料を取るのはおかしい、と言う話になりますね。
これ、ボクから見れば、ATM手数料と言う名前が間違いである気がするんですよね。
銀行はボランティア団体では無いので、稼ぐ必要があります。
世の中の多くの民間企業と同じです。
稼げずに赤字が続くと倒産します。
昔、音楽を聞くのは主にカセットテープでした。
しかし、時代はCDに移り、今はコンピュータのデータです。
いつまでもカセットテープを作っていても稼げないので、メーカーも稼ぎ方を変えていく必要があります。
カセットテープが売れないと嘆いても何も解決しないのです。
銀行も同じで、昔は融資の金利で稼いでいましたが、今は昔ほど稼げなくなりました。
銀行もまた時代に合わせて稼ぎ方を変える必要があります。
その稼ぎ方のひとつがATM手数料です。
ボクは、ATM手数料と言う名前よりもATM利用料と言う名前で良いと思うんですよね。
自分のカネを預けて自分で引き出すのに、なぜ手数料や利用料を払わなきゃならないんだ?
と思う人もいるかも知れません。
でも、実は、自分のカネを預けるコトで、便利なサービスを受けているのです。
それは、資金移動です。
もし、世の中から銀行が無くなって、ATMが存在しないと考えてみてください。
自分のおカネは現金で自宅に置いておく必要があります。
出掛ける際には、その日に必要な現金を財布に入れて出掛けます。
もし、外出先で、おカネが足りなくなったらどうしますか?
例えば、東京の人が大阪に出掛けて、そこで予想より多めの買い物をするコトになったとします。
でも手持ちの現金が足りません。
ATMの無い世界では、いったん東京の自宅に現金を取りに戻る必要があります。
時間と費用がかなり掛かりますよね。
これを解決するのがATMなんですよ。
常に必要な額を予想するのは難しいですし、外出先で予想以上の出費を予想するのも難しいです。
銀行が存在して、ATMがあるコトで、わざわざ自宅まで取りに戻る作業を無くせるんですね。
その資金移動を銀行が代わりに行っているわけです。
そのサービスの利用料と言うコトですね。
よく考えれば、実は便利なサービスです。
何時間も何千円もかけて自宅に戻らなくても、外出先で100円200円程度の料金で自分のおカネを引き出せるわけですから。
世の中のどんな商品やサービスでも、それが有料であり、それが存続していると言うコトは、それを必要としている人が少なからず存在していると言うコトです。
もし、銀行のATM手数料に反対するのであれば、使わなければ良いだけの話です。
でも実際に全財産を現金で自宅に置く人はほとんどいません。
手数料を払ってでも銀行を使います。
それは便利だからですね。
ただ、ボクはすでにキャッシュレス生活に突入しているので、ATMを使うコトはほとんど無くなりました。
今後、ATMの利便性は相対的に低下していくモノと思われます。