パチンコの三店方式と警察
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
世の中には、本音を隠して建前で成立していると思えることがあります。
例えばパチンコ。
ご存知のとおり日本では競馬など認められた公営ギャンブル以外のギャンブルは禁止されています。
でも、パチンコをギャンブルだと思っている人はたくさんいます。
あの銀色の玉の動きやあのジャラジャラ音を楽しむために行く人なんて、まずいないでしょう。
目的は稼ぐことです。
ただし、パチンコ店で稼ぐことができるてしまうと違法になるので、三店方式を採用しています。
三店方式の仕組みは次のとおり。
パチンコで勝ったお客さんはパチンコ店で出玉と引き換えに景品をもらいます。
もちろんこれは違法でも何でもありません。
次にお客さんは景品を持って景品交換所にやって来ます。
これはパチンコ店から強制されるわけではありません。お客さんの自分の意思です。もちろん必ず来る必要は無く、景品を持って帰ってもいいです。
古物商である景品交換所はお客さんから景品を買い取ります。ここも普通の古物商がモノを現金で買い取るだけなので違法ではありません。普通の売買です。
次に、もし、この景品交換所が直接、パチンコ店に景品を戻してしまえば、違法とみなされる可能性があります。お客さんに景品を渡すパチンコ店と、景品をお客さんから買い取る景品交換所が直接取引してしまえば、ギャンブルの仕組みとみなされるかも知れないからです。
実際は景品交換所とパチンコ店はお互いに何の関係も無く、お客さんが自主的に景品を景品交換所に持ち込んでいるわけです。
そこで、景品交換所は景品を景品問屋に売りに行きます。
景品交換所は景品を売り、景品問屋は景品を仕入れる。
これも普通の商取引なので違法ではありません。
今度は、パチンコ店が景品問屋から景品を買います。
これも単なる売買取引なので違法性はありません。
つまり、パチンコ店と景品交換所の間には、パチンコ店のお客さんと景品問屋が介在しています。景品交換所と直接取引するのは、お客さんや景品問屋です。パチンコ店と景品交換所は一切の直接取引はありません。
どこにも違法の要素が無いんですよね。
しかし、全体で見ればきちんとギャンブルの仕組みができあがっているので、まあ、見事な建前論です。
もちろん合法なので摘発はできません。
警察も、パチンコ店の景品が換金できるという認識は無い、の一点張りです。
まあ警察は法に基づいて動くので、合法である以上はパチンコ店などを摘発できるはずもないのです、法律が変わらない限り。
法でギャンブルは禁止されているけれど、仕組みを構築することで、合法的に実質ギャンブルが成立している、日本はそういう国です。
この状況を解消するには、三店方式も違法とみなすように法律を改正するしかありませんが、そうするとパチンコとは無関係な他の領域にも影響が出てしまいます。
例えば、ボクがゲームセンターの景品取りゲームで景品を獲得したとします。
ボクが景品が不要なので、どこかの古物商に売りに行きます。
古物商はそれを問屋に引き取ってもらいます。
ゲームセンターは問屋から景品を仕入れます。
以上の流れも見事に違法になってしまいます。
法改正はとても難しいことなんですよね。
じゃあ、他の分野での三店の取引は合法にして、パチンコだけ違法にすればいいじゃないか、という意見が出そうですが、特定の業界だけを狙い撃ちにするには、合理的な理由が必要になります。
パチンコ店は単にお客さんにパチンコという娯楽を提供しているだけなので、それを違法にするのは難しいのです。
パチンコという娯楽を違法化するのなら、他の娯楽、例えばゲームセンターや映画やプロ野球やコンサートなども全部違法にしないと整合性が取れないんですよね。
市場性がある、つまりビジネスとして成り立ち、かつ合法である以上、パチンコが無くなることは考えにくい、という話でした。
次回は、家電量販店のポイント制に関する本音と建前の話をしてみます。
ぜひ非天マザーの読者になって、また読んでくださいね!