アクセルとブレーキ
自動車のアクセルとブレーキを間違えて事故を起こす。
そんなニュース、多いですよねえ。
実際の統計値は知りませんが、最近、特によく見る気がします。
昔からあるんですけどね。
それ、単にドライバーの問題で済ませちゃダメなんですよ。
例えば、道に突起があって、何人もの人がつまずいて転んでしまうとします。
それって、転ぶ人が悪いんでしょうか。
転ぶ人が悪いからといって、ずっと突起を放置していたら、転ぶ人はこれからもどんどん出てくるでしょう。
やるべきは転ぶ人を責めることよりも、突起を解消することなんですよね。
つまり、対症療法ではなく根本治療が必要なんです。
ヒューマンエラー
ブレーキとアクセルを間違える事故も実は本質的に同じ。
間違える人の資質の問題なら、こんなに多くの人が間違えるわけがないんです。
間違えた人はもちろん逮捕されるでしょうけど、それだと道の突起を放置するのと同じで、これからも事故は起こり続けるわけです。
根本治療は何でしょうか。
問題は自動車のヒューマンインターフェースにあるんですね。
ブレーキとアクセル。
まったく真逆の役割を果たすペダルが足元に左右に並んでいて、どちらも同じく右足で踏みます。
これ、紙一重ですよね。
人間はロボットじゃないので、ヒューマンエラーを起こします。
何千回何万回と動作を繰り返すと、一回くらいはミスする可能性があるんですよね。
しかし自動車の場合は一回でもミスすると事故につながります。
要するに誰でも事故を起こす可能性があります。
右と左に皿を用意してください。
右の皿には大豆を1000粒置いてください。
それを箸で一粒一粒、左の皿へ移す作業をしてみてください。
果たして一粒も落とすことなく移すことができるでしょうか。
できない可能性の方が高いですよね。
自動車ってのは人間の操作に依存しているので、それはすなわち、必ず事故が起こる前提の上にできていると言えるんです。残念ですが。
しかし自動車を無くすわけにはいきません。
だからこそ行うべきは、ヒューマンインターフェースの改善。
ボクは個人的にはブレーキとアクセルのペダルを劇的に見直すべきじゃないかと思うんですね。
例えばアクセルは足ではなくハンドルの付近で手で操作するとか。
自動車ってのはスピードが上がるほど危険になるので、スピードを上げるアクセルはある程度操作が面倒なほど安全と言える気がします。
問題は自動車のヒューマンインターフェースは世界で共通だということです。
日本だけで変更しても、そのクルマは他の国では売れにくくなります。
だから、こういう問題って各国の制度レベルで協議が必要だと思うんですよね。
高齢化社会で、こういう事故って今後も増えていくと予想できるんですよ。
いつまでも旧来のヒューマンインターフェースにとらわれず、劇的な改善が行われることを期待したいです。