みなもと太郎
AmazonのKindle Unlimitedで、みなもと太郎の「風雲児たち」と言う漫画を全巻読めます。
全20巻です。
この漫画が実に面白い!
歴史漫画ですが、江戸幕府の幕末を描く漫画で、第1巻は関ヶ原の戦いから始まります。
これが教科書なら楽しい
歴史漫画ではあるんですが、ギャグ漫画です。
ギャグ漫画ではあるんですが、学校の教科書ではわからない史実も細かく描かれていて、要するに、本格的な歴史を、ニヤニヤしながら学びつつ感動できる、とてもハイクオリティな作品です。
例えば、最初の関ヶ原の戦いで薩摩藩は九死に一生を得て何とか関ヶ原から九州に帰り着くんですが、その後、徳川幕府から非情な仕打ちを受けます。
これが260年後の倒幕の伏線となっているんですね。
解体新書が出るまでの苦労も丁寧に描かれています。
解体新書と言えば、杉田玄白を思い浮かべる人が多いでしょうし、ボクもそうでしたが、この漫画を読んで、前野良沢の存在の大きさに感動しました。
また、同時期の多才な天才、平賀源内の人生も描かれています。
天才過ぎるゆえに、世間が理解してくれない苦悩。
普及させれば、大衆の命を助け、文化の進展に役立つのに、幕府の理解を得られずに、断念せざるを得ないコトが多く悩む源内の姿に考えさせられます。
また、学校の教科書では、田沼意次は汚職の象徴のように描かれていますが、実は清廉潔白で、それを身分制度を守りたい幕府の勢力から汚名を着せられ、世間から誤解されながら追放されていく描写。
近年、田沼意次の手腕が見直されています。
一方、名君のように言われる8代将軍吉宗や松平定信、水野忠邦が時代錯誤な采配によって幕府を弱体化させていく様子も描かれています。
徳川の時代はとにかく、身分制度を守って自分たちの権力を維持したい幕府側の人間と、自由・平等を切り開きたい人々との対立の時代でした。
結局、自分たちの権力を維持したいだけの幕府は最後には滅亡するわけですが、そこに至るまでに、様々な戦いがありました。
シーボルト、渡辺崋山、高野長英、最上徳内など。
教科書では大きくは扱われない彼らの未来志向の活躍が、後の倒幕につながります。
ボクは17巻まで読んだ時点でこれを書いています。
あと3巻。
そのあとには、幕末編が待っています。幕末編は全巻がKindle Unlimited対応では無いようですが。
ボクは基本的には完結済みの漫画を一気に読むのが好きで、この、風雲児たち、大満足です。
今年、三谷幸喜さんの脚本によって歌舞伎化もされたようです。