命
ボクは賃貸不動産に住んでいます。
動物を飼うことは禁止されています。
だから飼うことはありません。
しかし、禁止されているから飼わないというよりも、もっと別の感情により飼わないんです。
ボクは動物の命が終わる瞬間の取り返しのつかなさに震えるんです。
だから、腕にとまった蚊をを叩くことができません。
一匹の蚊がの命が終わる。
そういう感じじゃ無いんです。
世界中でたった一つの存在が失われ、そしてそれは永遠に戻ることは無い。
そういう感情なんです。
変な言い方かも知れませんが、自分の親も一匹の蚊も、唯一という意味ではまったく同じです。
だから魚釣りもできなくなりました。
食物連鎖として魚を食べることにためらいはありません。
しかし多くの場合、魚釣りはレジャーの意味合いが強く、そういう意味では人間に必須の行為では無いわけです。
漁とは意味合いがまったく違うわけです。
さっきまで元気に泳ぎ回っていた魚。
もしかしたらその家族がその周りにいたかも知れない。
その魚が今では固く横たわっている。
さっきまで一緒にいた家族が、今後二度と対面することは無い。
恐怖を感じませんか。
永遠
命という不思議な存在の最大の特徴は不可逆性です。
一度失われてしまうと、永遠に戻りません。
事故や災害や犯罪などで自分の親や兄弟や子供や友人や恋人が亡くなったら、その瞬間から二度と会えなくなります。
どんなに悲しんでも帰ってきません。
すべての人は明日、人生が終わる可能性があります。
それだけは誰にもわかりません。
しかし重要なのは人生が終わるという変化では無いんです。
そのあと永遠に戻らないという事実なんです。
誰にでも可能性があって、絶対に戻ってこない。
そんなことを考えたら、今日の生き方の大切さがわかるんじゃないでしょうか。
あなたは今日、どうやってすごしましたか。
今日存在する大切な人が、明日から永遠に会えなくなるかもしれませんよ。
脅しでも何でも無く、すべての動物に運命づけられた、確実な事実です。