放送と配信
タイトルにNHKと書いてしまいましたが、別にNHKに限りません。
テレビ放送とネット配信の根本的な違いを書きますね。
話をわかりやすくするために、大ざっぱに書くので、細かい点で微妙におかしいと思ったら、各自、調べてみてくださいね。
あくまでも、大枠での仕組みを書きます。
まず、テレビ放送は、受信者の人数に関係無く、放送コストは一定です。
テレビを見る人の人数が10倍になっても、放送側はそのまま放送できます。
一方、ネット配信は、受信者の人数が増えれば、配信コストが上がります。
1人1人のユーザーに対して、配信者側のサーバーがデータを送信する必要があるからです。
これを別の事例で、あえてわかりやすく書きますね。
テレビ放送は、看板だと思ってください。
大きな看板をドーンと立てたとします。
その看板を1人だけが見ても、100人が見ても、看板は1枚で済みますよね。
100人が見るからと言って、その看板を100枚立てる必要は無いわけです。
1つの看板を大勢の人が見るコトができる。
これと同じ考え方がテレビ放送です。
一方、ネット配信は、紙飛行機だと思ってください。
紙に何らかの情報を書き込んで、それを紙飛行機にして相手に向けて飛ばすのです。
1個の紙飛行機が届くのは1人だけ。
なので、100人に情報を渡したければ、紙飛行機を100個飛ばす必要があります。
1つの情報を大勢で見るコトができるのがテレビ放送。
1人1人に送る必要があるのがネット配信。
必然的に、受信者数が増えれば増えるほど、受信者1人当たりのコストは、テレビ放送は下がっていくわけです。
放送と配信は視聴保証の確率が違う
看板の例で考えればわかると思いますが、テレビ放送って、基本的には、みんなが視聴できます。
目に障害があるとか言う個別の人の事情は別として、一般的な仕組みとしては、看板を立てれば、みんなが見るコトができます。
これは言い換えれば、テレビ放送は、その電波が届くエリア内であれば(つまり看板が見える範囲であれば)、みんなが視聴可能であるコトを保証できるわけです。
極端に言えば、電波1本で1億3000万人が視聴できます(正確に言えば、地域ごとにそれぞれ電波を発信していますが)。
だから、テレビ受信機を持っている人はみんな、受信料を払う必要がある。
みんなが見られるんだから、みんな払いましょう。
それが、今のNHKの理屈です。
まあ、それが法の規定であるなら、それはそれで良いでしょう。
受信料を払いたく無ければ、ボクのように、テレビ受信機そのものを所有しなければ良いのです。
一方、ネット配信の場合は、話が変わってきます。
もし、NHKがネット配信する場合に、パソコンやスマホなどのネット機器を対象とするのなら、ネット機器を持っている人が全員、受信料を払うコトになります。
まさにテレビと同じ考え方ですね。
しかし、ここで問題なのは、全員が受信料を払うと言うコトは、全員がNHKの配信を見る権利が生じると言うコトです。
さっき、1億3000万人が見られるテレビ放送と書きましたが、ネット配信を1億3000万人が見るには、1億3000万人に紙飛行機を飛ばす必要があり、猛烈なコストがかかります。
一般的なウェブサイトと違って、NHKの場合は、番組配信、つまり、動画を延々と配信するコトになるわけで、理論上は1億3000万人にずっと紙飛行機を飛ばせ続けるコトができる設備が必要になります。
じゃないと、全員から配信料を徴収するのに、全員同時に配信できる設備が無いのであれば、それは半ば、詐欺同然だからですね。
設備上は、1億3000万人に配信できるモノが必要ですが、現実には1億3000万人が同時にNHKを見る可能性はほとんど無いわけで、ここに大きな矛盾が生じますよね。
そこで、解決策としては、会員制ですね。
AmazonプライムビデオやNetflixやHuluやDAZNなどと同じで、受信料を払った人だけが見られるシステムです。
そうすれば、会員数が100万人だけなら、100万人だけが見られる設備を用意すれば良いわけで、ムダなコストは発生しませんし、受信側も、
見ないのに払うのは納得がいかない!
と言う不満も無くなるわけです。
従来のアナログ放送では、見る人だけに課金するシステムを作るのが難しかったんですが、テレビのデジタル放送やネット配信なら、そんなシステムは容易に実現できます。
だから、もし近い将来、NHKがネット配信に関して、ネット機器を持っているすべての人に受信料課金するコトになったら、上記の矛盾を突くべきです。
1億3000万人全員が同時にネットでNHKの番組を見て、サーバーをパンクさせて、
受信料返せ!
と言えるわけです。
以上のコトからわかるように、NHKのネット配信は、ネット機器を持っている全ての人に課金するのはおかしいわけです。
あくまでも、見る人だけが受信料を払うシステムが正しいんですね。
と言うわけで、近い将来の話なので、国民として注視しておきましょう。
NHK(と関連法)の暴走を防ぐために。