債権
学校の義務教育では、もっと、おカネの勉強をすべきなんですよねえ。
金融とか経済とか。
現在、振り込め詐欺だけでも毎年、数百億円の被害額ですよ。
当然、ダマす方が悪いんですが、ダマされる方がもっと知識武装すれば、防げるケースもかなり多いはずなんですよね。
でも、日本人って、
- おカネは汚い
- おカネ儲けは悪い
的なアホな考え方をする人が多いんですよ。
おカネ儲けが悪いんなら、労働者は全員、悪人になってしまいますね。
まあ、それはさておき、今回は債権譲渡の話を書いてみます。
民法の勉強をしたことがある人なら通る道ですが、できれば、全員が知って置いて欲しいことです。
まず、債権とは、誰かに貸しがあることですね。
AさんがBさんに1万円を貸したとします。後日、返してもらう約束です。
この場合、Aさんが債権者、Bさんが債務者ですね。
債権譲渡
で、ここでCさんが登場します。
CさんがAさんに1万円を貸したとします。
すると、Cさんは債権者でAさんは債務者です。
ちなみに、Bさんは、AさんがCさんから1万円を借りたことは知りません。
考えてみてください。
AさんはCさんに1万円を返す必要がある。
BさんはAさんに1万円を返す必要がある。
Bさん→1万円→Aさん→1万円→Cさん
てことは、BさんがCさんに1万円を払えば、一発で終了ですよね。
Bさん→1万円→Cさん
AさんはBさんに対する債権をCさんに譲渡してしまうわけです。
すると、CさんはBさんに対する債権者になります。
ただし、BさんとCさんがお互いに知らない人同士ならどうでしょうか。
AさんからCさんに債権が譲渡されて、いきなり、CさんがBさんに1万円を返してくださいと請求しても、Bさんは戸惑います。
そこでCさんはBさんに説明するんですね。
Cさん「実は、Aさんに1万円を貸してるんですが、あなたはAさんから1万円を借りてますよね。なので、あなたが直接、私に1万円を頂ければ、それで全員の貸し借りが終わります。」
それを聞いたBさんは、なるほど、と思い、Cさんに1万円を支払いました。
めでたし、めでたし。
と、何の疑問も持たなかった人は、詐欺に引っかかりやすいタイプです。
よ〜く考えてみましょう。
じゃあ例えば、Bさんのところに、Cさんでは無く、Dさんが登場したとします。
Dさんは誰とも貸し借りはありません。
そんなDさんが、Bさんのところへ行き、こんな説明をします。
Dさん「実は、Aさんに1万円を貸してるんですが、あなたはAさんから1万円を借りてますよね。なので、あなたが直接、私に1万円を頂ければ、それで全員の貸し借りが終わります。」
それを聞いたBさんは、なるほど、と思い、Dさんに1万円を支払いました。
でも実際にはDさんはAさんに1万円なんて貸してませんよね。
なので、Dさんは単にBさんから1万円をもらっただけになります。
当然、AさんのBさんに対する債権は残っているので、改めてAさんはBさんに1万円を請求します。
で、ここで、Bさんは詐欺に遭ったことに気付くわけですね。
これを防ぐために、債権の譲渡をする場合は、必ず、債権者から債務者に、債権譲渡の通知をすることになっています。
つまり、AさんがBさんに、
「Cさんに債権を譲渡したので、Cさんに1万円を払ってください。私には返さなくて良いです。」
と言わなきゃいけないんです。
そうすれば、上記のような詐欺は、どうやっても防げますよね。
こう言うのを「対抗要件」と言います。
いいですか。もう一度言いますよ。
債権の譲渡は、必ず債権者が債務者に通知すること。
まあ理屈で考えれば当たり前なんですが、その当たり前のことに頭が回らないから、莫大な金額の詐欺事件が発生するんですね。
賃貸アパートに住んでいる人のところへ、
「弊社は新しい管理会社です。今後は弊社の口座へ家賃を振り込んでください。」
と言う手紙が来たら、真っ先に疑うべきです。
その通知をすべきなのは、元の債権者つまり元の管理会社であるべきですからね。
学校でもっと、社会で生きていくために必要な学問を教えましょうよ。
宅建の勉強にも、この手の話がいろいろ出てくるので、今年、受験する人はがんばってください。
ボクは「らくらく宅建塾」で合格したのでオススメしておきます。
他の本よりわかりやすいです。小学生向けっぽい書き方です。