年金支給開始年齢
過去のお年寄りは60歳になれば年金支給が開始されましたが、これからお年寄りになる人は、65歳開始です。年金財政がさらに悪化すれば(するんですけど)70歳支給開始になる可能性もあります。
苦しいですが、国家だって、無いカネは払えませんからね。
ということは、60歳で定年退職したとしても最低でも5年間は待つ必要があります。
どうやって暮らすか。
- 引き続き働いて収入を得る
- 貯蓄を取り崩す
大きくこの2つが考えられます。
まあ60歳の時点で体が元気なら働くに越したことは無いんですが、みんながみんな、そうとは限りません。
なので60歳までにある程度の貯蓄が無いと大変、という話になります。
いくら必要か。
まあ諸説ありますし、人によって違うでしょうけど、ここでは3000万円と仮定しましょう。
3000万円なら60歳から70歳までの10年間あると考えても、年間300万円ずつ使えます。
必要積み立て額
では、60歳の時点で3000万円が貯まるには、それまでに毎年いくらずつ積み立てれば良いでしょうか。
仮に40歳の人だとすれば、20年間ですよね。
すると、
3000万円 ÷ 20年間 = 150万円
なので、毎年150万円ずつ確実に貯金しないと貯まりません。
毎月12.5万円ずつです。
まあ、なかなか大変ですね。
これが30歳の人なら、30年間です。
なので、
3000万円 ÷ 30年間 = 100万円
です。毎年100万円ずつ、つまり毎月約8.33万円ですね。
30歳で貯蓄を始めるのと40歳で始めるのとでは、こんなに負担が違います。
投資運用の最大の武器は「時間」ですが、まさに時間のパワーが効いています。
しかし、ここまでの話では金利を考慮していません。
40歳の人が毎年積み立てながら年間3%の利回りで利息が付いたとしたらどうなるでしょうか。
40歳から積み立てスタート
年利3%
積み立て期間20年間
積み立て目標額3000万円
減債基金係数
こういう時に使うのが減債基金係数という数値です。
減債基金係数は条件ごとに決まっていて、全部載せるのは不可能ですが、上記の条件での減債基金係数は0.037です。
すると次の計算式になります。
積み立て目標額 × 減債基金係数 = 必要積み立て額
なので、
3000万円 × 0.037 = 111万円
よって、40歳の人は、毎年111万円ずつ積み立てて3%で運用できれば、20年後に3000万円になります。
ちなみに30歳ならどうでしょうか。
30歳から積み立てスタート
年利3%
積み立て期間30年間
積み立て目標額3000万円
この条件での減債基金係数は0.021です。
なので、
3000万円 × 0.021 = 63万円
と、なんと、40歳の人の半分近くにまで減りました。
金利が入ってくると、さらに時間の効果は大きくなるんですね。
ちなみに、3%で運用するというのは、日本の銀行預金に預けているだけでは、まず難しいです。そんなに金利が高く無いですから。
- 国内株式
- 外国株式
- 国内債券
- 外国債券
これが基本です。
これまでの実績から見れば、この4種の投資先に分散投資すれば、3%のリターンは軽く狙えます。
もちろん将来も狙える保証は無いですが、日本の銀行預金に一括して預けておくよりは、はるかに高いリターンが得られる可能性があるとともに、分散投資によるリスクヘッジになります。
日本の制度設計から言って、貧しくて命を失うことは回避できます。生活保護制度がありますから。
しかし、その話と豊かな老後生活を送れるかどうかは別。
体が動く若いうちに対策をスタートさせておくことをオススメします。
何度も書いたように、時間こそが最大の武器ですから。
ちなみに、他の条件で積み立て額を計算したい、つまり減債基金係数を知りたい人は、こちらのページに入力してみてくださいね。