店舗とATM
ボクは、新卒で信託銀行に入社しました。
信託銀行はメガバンクほどは大きくは無いんですが、それでも従業員数は数千人もいる、巨大な銀行です。
ボクが入社の年は不景気で、ボクの同期は全国で50人ほど。1年上の先輩は同期が100人ほど。その1年上の先輩は200人ほど。
ボクの年がいかに不景気になったか、わかりますね。
信託銀行も銀行の一種なので、給与の受け取りは当然、自社の口座になります。
銀行以外の業種に就職した人は、銀行口座は自由に選べますが、銀行員はまず間違いなく自分の勤務先銀行の口座が給与口座となります。
メガバンク(当時は都市銀行と呼んでいました)は巨大なので、店舗が全国に数百箇所もありました。
一方の信託銀行は、店舗数は全国に数十店舗。
おカネを引き出すのが不便だったんですよ。
もちろん、提携金融機関から引き出すコトもできるんですが、余計な手数料がかかります。
地方銀行は信託銀行よりも小さいですが、その地方では信託銀行よりも店舗は多いんですよ。なので、地方で暮らす限りは、地方銀行員はそんなに不便ではありません。
信託銀行は、店舗数が少ないのに全国転勤があり、銀行員の中では不便を強いられていたんです。
電子マネー
その後、生き残り策やら規制緩和やら何やらかんやらで、その信託銀行は、ゆうちょ銀行と提携しました。
ゆうちょ銀行のATMで入出金ができるようになったんです。
それによって、圧倒的に便利になりました。
ゆうちょ銀行はATMの数で言えば、金融機関の中で圧倒的に多いですからね。日本中に2万台以上。
でも、その後、ATMの数に意味は無くなりました。
そうです。2001年にSuicaが登場したからです。
ボクは関西に住んでいたので、2003年のICOCAからですが、2006年に東京に移住。
その年からモバイルSuicaを使い始めました。
今、ボクは現金をほとんど使いません。
日常の買い物のほぼ全てがiPhoneでの決済。
もちろん、オートチャージ。
つまり、わざわざATMに立ち寄って現金を引き出してチャージするなんてムダな時間が不要なのです。
財布を持ち歩く意味すら無いのです。
運転免許証や保険証のために仕方無く財布を持ち歩いているようなモノです。
現金はほとんど入っていません。
そうなると、銀行の店舗数やATMの数なんて、もはや無意味。
まだまだ高齢者の人は現金を使うでしょうが、やがて時代と共に淘汰されるはずなので、いずれ、メガバンクが持つ店舗網は、銀行経営において、単なるコストになります。
電子マネーで買い物も納税もできるのであれば、店舗に行く必要が無くなります。
銀行店舗は、銀行員が座るためだけの場所になります。
文書が電子化されれば、保管スペースと言う意味でも不要になります。
そうなると、メガバンクの価値って何なんでしょうね?
昔は店舗が多くて便利だった。
でも、いずれその意味も無くなる。
大企業が巨額の融資を受けるにはメガバンクの体力が必要ですが、少なくとも、個人客が利便性のためにメガバンクを選ぶ意味って、もはや無いような。
ボクは、サブ口座としてジャパンネット銀行を長年使っていますが、この銀行、店舗はありません。
なのに、ホント便利なんですよ。
ヤフオク!とも連携していますしね。
すでに信託銀行を退職済みのボクは、もはや腐れ縁的に同じ口座を使っていますが、意味無いんですよね。
まあ、サラリーマンとしての給与以外に、複数の収入があるので、2つの口座を使い続けていますが。