iPhoneの分裂
2007年にiPhoneが登場した時、Appleのハードウェアと言えば、MacとiPodでした。
それ以前、かつて、倒産しかけたAppleを立て直したのはスティーブ・ジョブズですが、彼はシンプル思考なので、数々の製品ラインナップを持つAppleの製品群を整理してシンプルにしたわけです。
記憶が違ってたらゴメンナサイ。
とにかく、企業経営において、過剰な製品ラインナップはコストの上昇につながります。
昔、General Electricを立て直したのはジャック・ウェルチでしたが、彼も、会社の事業をシンプルにしました。
Appleは、MacとiPod。
そこに、iPodと電話とインターネットを融合させたiPhoneを登場させたわけです。
iPodでできるコトはiPhoneでできるので、やがてiPodも消える運命にあるんですが。
そんなiPhoneも、今年のiPhone 14シリーズでは4種類。
すっかり分裂です。
開発・運用が大変
Android機は世界中に何千種類もあるので、そのアプリ開発は大変なんですよね。
iPhoneは基本的には単一機種なので、Androidのような苦労は必要ありませんでした。
しかし、いまのiPhoneは4種類。
しかも、iPhone 14はノッチ付きで画面サイズが2種類。
iPhone 14 Proはパンチホール付きで画面サイズが2種類。
つまり4つともバラバラなんです。
一方、iPadシリーズはベゼルが太いため、ベゼル内にカメラなどを収めるコトができ、結果としてノッチは不要となりました。
そのため、iPhoneとは概念が異なります。
なのに、やはり大きな筐体であるMacBookシリーズには、なぜかノッチが。
iPadはノッチ無しなのに、MacBookはノッチあり。
でもiMacはノッチ無し。
まとめると、
大画面ノッチ無しのiMac。
大画面ノッチありのMacBook。
大画面ノッチ無しのiPad。
小画面パンチホールありのiPhone 14 Pro。
小画面ノッチありのiPhone 14。
いまや、MacでiPhoneアプリが動く時代ですが、画面の構成はバラバラに分断化。
かつては、全機種が長方形だったんですが。
おかげで、アプリ開発者の苦労も増え、そして何より、Apple側の開発・運営コストも増大しているハズです。
同じiPhone 14シリーズなのに、Proだけパンチホールがあるので、Dynamic Islandと言う機能が搭載されるんですよ。
この高コストが当然ながら製品価格に反映されます。
ジョブズがいなくなって、革新的な製品が出なくなったと言う人が多いですが、ジョブズだって革新的な製品は10年に1回くらいしか発表してません。
それより、ジョブズ後に最も変わったのは、シンプルさが消えたコト。
つまり、製品ラインナップが増えて分断化したコトなのです。