制服
いや〜法治国家とかロジカルシンキングを語る上で、ドンピシャの事件が起きました。
とあるお笑いタレントが女子高校生の制服を盗んだ事件です。
本人の自白によれば、20年前からの常習だったとのこと。
逮捕歴
で、本題はここからです。
このタレントは数年前に逮捕歴があります。
電車内での痴漢容疑です。
その時は結局、えん罪ということで収束しました。
さて、あなたは何を感じますか?
ボクはあなたを試してるんですよ。
「痴漢もホントはやったに違いない!」
そう考えましたか?
そう考えたのなら、不合格。
あなたの思考力は法治国家日本に向きません。
証拠
当たり前のことですが、類似性のある事件が起こったからと言って、他の事件も無条件に有罪になることはありません、証拠も無しに。
「やったに違いない」
と言うなら、そのための確たる証拠が必要です。
今回の事件では次の組み合わせが考えられます。
A.制服は盗んだけど痴漢はやっていない。
B.制服を盗み痴漢もやった。
A.もB.も可能性があります。
どちらかに断定するにはその根拠が必要です。
制服を盗んだんだから痴漢も確実にやったに違いない、という意見は非論理です。
スピード違反
あなたはスピード違反をしたことはありますか。
まあ、したことがある人は多いでしょう。
そこで、こう言われたらどうでしょう。
「お前はスピード違反のような犯罪を犯す人間なんだから、自動車用品も盗んだに違いない。」
ね、変でしょ。
類似性があるかどうかは可能性を論じる材料に過ぎないのであって、証拠でも何でも無いんですよ。
例え、スピード違反をしたとしても、自動車用品を盗んだ事件は別の話なので、それを立証する証拠が必要なんです。
低レベル思考
この、小学生でも分かる、当たり前の事がわからない人が、残念ながらいるんです。
いくつかのブログを見て回ると、
「このタレントは絶対に痴漢もやったと思います。」
と言っちゃってる人が存在するんですよ。
それって、
「私の思考力はガキレベルで、法治国家日本にはふさわしくありません。」
と宣言しちゃってるのと同じ事なのに。
ま、実際には検察や裁判官にも、そういうレベルの人がいて、だからこそ、えん罪事件が後を絶たないわけです。
トンチンカンな批判
あと、こういう記事を書くと、別の意味で勘違いする人が出てくるんですよ。
「犯罪を犯したタレントを擁護するな。」
なんて。
こうなってくると読解力・理解力の問題。
ボクは一言も、このタレントが痴漢をしていないなんて言ってませんし、言うつもりもありません。
そもそもボクがこのタレントを擁護する理由が無い。
痴漢をしたかどうかは、それに対する立証が必要だと言ってるんです。
制服を盗んだんだから痴漢もやったに違いない、てな感じで、推測を断定にすり替えるな、ということです。