世の中の9割はWindowsパソコン
世の中にパソコンを知らしめたのはスティーブ・ジョブズが率いるAppleで、現在のようなマウスとグラフィカルユーザーインターフェースで操作するパソコンの元祖がMacです。
マイクロソフトのExcelも、最初はMac版から登場しました。
その先見性は素晴らしかったんですが、その後、マイクロソフトはWindowsを育て上げ、現在では、世界のパソコンの台数シェアにおいて、Windowsパソコンは9割です。
大半はWindowsパソコンで、残りの数パーセントをMacやLinuxが占めています。
長年にわたってWindowsとMacは争ってきました。
台数シェアではずっとWindowsに軍配。
それでも、Macのファンは一定数が存在して、ユーザー側でも、Windows支持派とMac支持派とに分かれるコトに。
単純な好みのはずなんですが、お互いがののしり合うくらいに言い争いが行われています。
焼き肉が好きか、寿司が好きか、その程度の議論のはずなんですが。
価格論争
WindowsパソコンにはWindowsパソコンのメリットとデメリットがあります。
MacにはMacのメリットとデメリットがあります。
ボクは勤務先では支給されているWindowsパソコンを使っていますが、プライベートではMacを使っていますし、Windowsパソコンも何台も所有したコトもあります。
プライベートでMacを使っているのは、単にボクがWindowsパソコンとMacの両方を使ってきて、Macの方がメリットが大きいと判断したからです。
全面的にMacがWindowsパソコンより優れているわけではありません。
この視点が抜け落ちがちなんですよね。
Windowsパソコンのメリットとして、よく言われるのが、コストパフォーマンスです。
Macは高価格で、Windowsパソコンは同じ性能でずっと安く買えると言うコトです。
だから、Windowsパソコンを選ぶ、と。
これ、多くの人にとって、実に合理的な考え方です。
実際、MacよりもWindowsパソコンの方が多く売れる理由のひとつが、価格の安さでしょう。
でも、それって、製品の良し悪しとは無関係ですよね。
例えば、ホントはMacが欲しいけど、高額なので、Windowsパソコンを選んでいる人も中にはいるでしょう。
逆に、価格が安いからと言う理由でWindowsパソコンよりもMacを選んでいる人は、あまりいないと思います。
では、大金持ちで、予算に制約が無いとしたらどうでしょうか。
目の前に、同じ性能の20万円のMacと10万円のWindowsパソコンがあるとしたら。
それを1兆円の資産家が選ぶとしたら。
こうなると、価格は除外して、単純にパソコンの魅力で選ぶコトになります。
その場合でも、9割の人がWindowsパソコンを選ぶでしょうか。
たぶん、そうならないんですよね。
もっとMacの比率が上がるはずです。
何を言いたいかと言うと、コストパフォーマンスでパソコンの優劣を語ると言うコトは、それは単純にパソコンの品質の優劣を表していないですよね、と言うコトです。
Windowsパソコンの方が安いと言うコトは、逆に言えば、Macの方が高価である、と言うコトです。
なぜ高価かと言えば、素材や加工にコストがかかっているからです。
実は、MacはWindowsパソコンよりもずっと台数が少ないですが、Windowsパソコンは様々なメーカーが作っています。
単一のメーカーの単一の機種と言う観点で言えば、Macはかなり多くの台数が作られています。
つまり、他のメーカーよりも大量生産されているわけです。
Windowsパソコンは様々なメーカーの合算なので、個々のメーカーで見れば、単一機種の大量生産はできないわけですよね。
Macの方がスケールメリットがあります。
にも関わらず、Macの方が高価。
それだけ、素材、加工にカネがかかっているわけです。
ポルシェカイエンとホンダN-BOX。
どちらも良い車ですが、品質で言えば、カイエンの方がずっと高いです。
その分、価格も高価です。
なので、台数で言えば、N-BOXが圧勝です。
コストパフォーマンスに優れていますから。
カイエンが欲しいけど、高くて買えないので、N-BOX。
Macは高価だ、と言うのは、ポルシェカイエンのような立ち位置にいるのでは無いかと。
たぶん、荷物を詰め込んだり、近所へ気軽にドライブするのなら、N-BOXの方が優れているんですよね。
でも、カイエンも一定数のユーザーがいます。それは予算の制約が少ない人、つまりおカネを持っている人です。
おカネを持っているので、カイエンもN-BOXもどっちも買えるんですが、カイエンを選ぶ人です。
それはカイエンの方が優れていると判断したからですね。
同じく、MacとWindowsパソコンとで、Macを買う人が一定数いるのは、MacもWindowsパソコンも買えるけど、Macが優れていると判断したから。
Windowsパソコンに比べてMacが高い、と言うのは、逆に言えば、高価な分、優れているとも言える一面がある、と言う話。
ユニクロの服がたくさん売れるのも、価格の面で有利、と言うコトで、品質で言えば、ユニクロより優れている服が他にたくさんある、と言う話ですね。
他の高価な服が欲しいけど、予算に制約があるので、ユニクロを選ぶ。
だから、ユニクロのシェアが高い。
少なくとも、コストパフォーマンスが高いと言うWindowsパソコンの特長は、製品の良し悪しとは関係が無いか、もしくは、製品の良し悪しで言えば劣っていると言えてしまいます。
と言う考え方を書いてみたかったのです。
たくさん売れるコトと、たくさんの人が欲しがるコトとは別だな、と。