非天マザー by B-CHAN

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不動産仲介業は不要か

仲介業

 

不動産業界では無い一般の人から見たら、不動産仲介業って不要に見えるかもしれないですね。

 

「あいつら何も生み出さないのに儲けやがる。」

 

はい、そうですね。

では、なぜそんな不要っぽい業種が長い間ずーっと生き残るんでしょうか。

需要が無ければ滅びるはずですからね。

そこはやはり、需要があるんです。

 

何も生み出さない業種は存在してはいけないんでしょうか。

では、何も生み出さないとはどういう意味でしょう?

逆に、何かを生み出すとはどういう意味でしょう?

 

製造業はわかりやすいですね。

目に見えるモノを生み出すんですから。

 

では、製造業以外は存在してはいけないんでしょうか?

 

例えば、漁師。

漁師って、何も生み出していないんですよ。

海にいる魚をとってきて売るだけ。

でも、漁師がいなければ困る人、多いですよねえ。

漁師がいなければ、魚を食べたいときに、各自が海まで釣りに行く必要があります。

 

理容師ってどうですか?

何かを生み出すどころか、髪を切り取っちゃうんです。

でも、理容師がいないと困りますよねえ。

自分で自分の髪を上手に切れる人はいいですけど。

 

何かを生み出すというのは、何も目に見える物体だけでは無いんですよね。

サービス業は目に見える物体を作るわけでは無いですが、相手が役に立つ価値を生み出します。

漁師も理容師も。

 

漫才師も弁護士も演奏家も。

 

専門家の合理性

 

で、不動産仲介業もそうなんですよね。

 

あなたがもし、家を売りたいとき、仲介業者がいなければ、どうなるでしょうか。

一番の問題は、自力で買い主を探さなきゃいけないことなんですね。

単に自分の家を売りたいだけなのに、ネットに広告を出したり、店舗を出したり。

まるで演奏家が自分のCDを売りたいだけなのに、自分でCDショップを経営したり、音楽ダウンロードサイトを経営したり。

大変なんですよ。

 

魚を食べたい人が自分で魚をとりに行かずに漁師に任せるのは、それが専門だからです。

国民が各自で魚をとりに行くより、漁師という専門家に任せるほうが、コストも負担も圧倒的に軽くて済むんですよね。

 

家を売る人も同じ。

自分で不慣れな不動産業を行うのはものすごく大きな負担になります。

それとリスクの問題もあります。

 

仲介業者は仲介する家を徹底的に調べます。長所も短所も。

構造的なことや環境的なことや法的なことや税制のこと。

それを買い主に説明することで仲介責任を負うわけです。

もし仲介業者がいなければ、売主は自分でそれらを調べて説明し、自分でその責任を負わなきゃいけないんです。

単に家を売りたいだけであって、不動産の専門家でも無いのに負担が大きすぎます。

魚の専門家では無い一般人が自分で魚をとりに行くようなモノです。

 

いや、不動産は魚よりもはるかに価格が大きいです。

リスクもはるかに大きいんです。

 

世の中ってうまくできていて、分業化が成立しているんですよ。

なぜなら、それが一番うまくいくから。

自分で何でもかんでもやるのは、自分ですべてのスキルを身につける必要があり、時間コストもリスクも非常に大きく、効率も悪いんです。

それよりも分業して、各自が得意な分野で活躍するほうが、ずっとうまくいくんですね。

 

目に見える物体を生むことだけが仕事では無いんです。

仕事とは相手にとって役に立つ「価値」を生み出すことなんです。

 

もしあなたがいつか将来、自分の不動産を売ることになったら、試しに自分でやってみてください。

そうすれば、その非合理性に気づくと思います。

時間コストと金銭コストとリスクを考えれば、結局は仲介業者におカネを払ってでも任せてしまったほうがはるかにラクであることに気づくでしょう。

 

漁師が魚をとって来てくれるように。