非天マザー by B-CHAN

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分譲マンションを買う人へ

分譲マンション

 

 

賃貸住宅か持ち家か、と言う論争は永遠に続きそうですが、そんなのは好みの問題なので、正解はありません。

どちらにもメリット、デメリットがあります。

 

これから書くコトは、マンションを買う人向けの話です。

マンションを買うと言っても、一棟まるごと買うと言う意味では無く、1戸だけ買うと言う意味です。

要するに、普通に家を買う感じですね。

いわゆる分譲マンションです。

 

 

管理組合に強制加入

 

 

戸建住宅と違って、分譲マンションを購入すると、マンションの管理組合に強制的に加入させられます。

これは区分所有法と言う法律で決まっているので、逃れるコトはできません。

所有者が2人以上の分譲マンションの1戸を買った場合、法的に自動的に管理組合の一員となるんです。

例えば、30戸の分譲マンションなら、30人でひとつのマンションを共有するコトになります。

ひとりで1戸を購入した場合ですが。

 

分譲マンションは、各戸部分(専有部分)と廊下や玄関などの共用部分とに分かれます。

専有部分はもちろん、各所有者の名義ですが、共用部分は、区分所有者全員での共有です。

例えば、30戸の分譲マンションの玄関は30人での共有ですし、廊下も30人の共有です。

敷地も30人での共有です。

 

不動産と言うのは、管理が重要です。

例えば、清掃せずに月日が流れると、確実に劣化が早まります。

分譲マンションの玄関や廊下を定期的にきちんと清掃していれば、そのマンションの玄関や廊下はキレイに保たれます。

その費用を30人で出し合うわけです。

これがマンションの管理費です。

専有部分を買ったときのローンを払い終えても、引き続き毎月、管理費が発生するのはそう言う理由です。

これは、買う前に知っておくべきです。

 

 

他力本願

 

 

恐ろしいのは、共用部分のコスト負担は他力本願だと言う点です。

例えば、30戸の分譲マンションの共用部の清掃費用が月に15万円だとします。

それを30人で分担するので、ひとり当たりの負担は5,000円ですね。

ところが、30人の誰かが、勤務先の倒産などで失業して収入が途絶えたとします。

すると、夜逃げしたりして、管理費の延滞が発生します。

あるいは、高齢になって死亡するかも知れません。

 

30人のうちの5人が不在になって延滞が発生したとしましょう。

それでも、清掃業者には月に15万円払わないと清掃が行われません。

さて、どうしますか?

とりあえず残りの25人で15万円を分担するなら、ひとり当たりの負担は6,000円に上がります。

あるいは、とりあえず清掃を止めてしまうでしょうか。

そうすると、マンションはゴミと汚れで劣化していきます。

つまり、買ったマンションの資産価値は大幅に減るのです。

 

ここに書いた話は珍しいコトではありません。

ボクも業界の人間ですが、管理組合の管理費滞納なんて無数にあります。

 

もっと年月が流れて、30人のマンションが15人に減ったら、管理費の負担は倍増します。

そうなってしまうと、自分は毎月きちんと管理費を払っていても、もはや手に負えなくなります。

分譲マンションは他力本願なのです。

極端な話、同じマンションの29人がいなくなって、自分1人だけになってしまうと、そのマンションの清掃費を自分だけで負担する必要が出てきます。

もちろん、そんな負担はできないでしょう。

 

賃貸住宅なら、そんな義務は大家さんが担っています。

戸建住宅なら、すべて自己責任ですし、マンションのように規模が大きくないので、そんなリスクは起こりません。

分譲マンションは戸建住宅より圧倒的に規模が大きいので、ひとりでは共用部の世話はできません。

 

これから、分譲マンションを購入する人。

そのリスクを十分に知った上で検討するコトをオススメしておきます。

もちろん、他にも大きなリスクはありますし、逆にメリットもありますが、それは別の機会に書きます。