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建設を途中でやめる事はもったいないのか?埋没費用(サンクコスト)について

取り返しのつかない費用

わりとよくある話なんですが、多くの人が勘違いしていたりする埋没費用の話をしてみます。

埋没費用(サンクコスト)。
サンクはsunkと書き、sink(沈む)の過去・過去分詞形です。

例えば、とある市で市営の施設を建設する話があるとします。
すでに工事は始まっていて数億円の資金が投入されました。
しかしその施設は完成後もあまり集客できる見込みは無く、毎年赤字を生み出すと言われています。
そしてついに選挙で施設反対派の市長が当選し、建設の中止が決定しました。
さて、これに抗議したのが建設推進派。理屈はこうです。
「これまでに数億円もつぎこんだ。ここで中止にしたらその数億円が無駄になってしまう。」
さて、どう思いますか?

サンクコスト


実は、ここにサンクコストの概念が隠れています。いや隠れているというか、むき出しなんですけどね。
ここで建設を中止しても、このまま建設を進めても、すでに投じた数億円は戻ってきません。
つまりどちらを選んでも同じなんです。この費用の事をサンクコストと言います。
なので、この先どちらを選択すべきかを決めるときにはサンクコストに影響される必要はありません。
あくまでも、この先の条件で決めればよいのです。
すると建設を進めると毎年赤字を垂れ流し、建設を中止すれば毎年の赤字は防げる。
経済的見地から言えば中止して正解だったわけです。
もちろん市の施設ですから経済的見地以外の点でも要否を検討する必要はありますが、これまでにつぎこんだ数億円がもったいないから継続しろというのは見当違いであるということはわかってもらえると思います。
建設を継続するのなら、そういう理屈ではなく、市民が税金を負担してでも必要としているのかどうかという観点で議論すべきです。
サンクコストがしっかり理解できていないと判断を誤るというお話でした。
でも、よくある話なので重要ですよ。公営であればボクたちの税金の無駄にもつながりますし、民間であっても企業の業績に大きな影響を与える話ですから。


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