ニーチェ
宗教と哲学に興味を持たない人は多いと思います。
ボクも無信仰です。
哲学は難しいです。
でも、そんな難しい哲学の中で、ボクがとても興味を覚える人物がいて、それが、
ニーチェ
と言う哲学者です。
まあ、誰でも名前くらいは知っているでしょう。
ニーチェの特長は色々あるんですが、面白いのは、
宗教なんて嘘っぱちだ!
と言ったコトですね。
人類の歴史が浅い時代には科学は発展していなかったので、例えば、火山の噴火や雷などを見て、神の怒りなどと思ったわけです。
でも時代が進んで科学も進歩すると、火山も雷も、神の怒りでは無い自然現象であるコトがわかっちゃったわけです。
つまり、神様の存在の怪しさが、時代とともにだんだんとバレちゃってるわけです。
そこをニーチェは指摘しているんですね。
面白い。
永劫回帰
10個のサイコロを同時に振るとします。
すべてのサイコロが1の目を出す確率は、6分の1の10乗です。
6千万分の1くらいですね。
つまり、普通にやっていれば、まず一生かかっても起こらない現象です。
でも、時間が無限にあれば、数千万回やっているうちに、1回は、その現象が起こります。
いつかは起こります。
さらに、続けて、数千万回、数億回と繰り返すと、また同じ現象が起こります。
つまり、時間が無限にあれば、同じ現象がやって来るんですね。
この全宇宙のすべての物質は原子でできていて、それぞれ、物理法則にしたがって動いています。
サイコロが転がるのと同じです。
全宇宙に原子が何個あるのかはわかりませんが、時間が無限にあれば、いまこの瞬間とまったく同じ状態が、いつかは起こります。
それこそ天文学的に少ない確率ですが、時間が無限であれば、いつかは起こるわけです。
つまり、宇宙はビッグバンから始まって拡大していると言われますが、やがて拡大の勢いは弱まり、今度は収縮に向かい、最後にはビッグバンに戻る。
再びビッグバンからスタート。
それを何兆回、何京回、いやそれ以上、とにかく無限に繰り返していけば、いつか、いまこの瞬間と同じ状態が起こります。
それが何を意味するか。
つまり、ボクたちは一度死にますが、とんでもなく遠い未来に、まったく同じ自分がまったく同じ地球でまったく同じ人生を歩む、と言うコトです。
これは宗教の輪廻転生とは何の関係も無く、きちんとしたロジックですよね。
時間が無限なら、物質がたまたま再び同じ状態になるコトは当然にある。
そのロジックです。
サイコロの目が10個同時に1になるのと同じです。
もしかしたら、いまのボクたちも初めての状態では無いのかも知れません。
何千兆年も前にまったく同じ状態だった可能性があるわけです。
と言うか、無いとおかしいわけです。
これが永劫回帰。
ニーチェは実存哲学と呼ばれる哲学の代表的な人物ですが、哲学とは宗教的に考えるのでは無く、科学的に考えます。
だからそこにはロジックがあります。
ボクが無信仰かつ哲学に惹かれる理由もそこにあります。
ただし、哲学にも、本質哲学と実存哲学があり、それぞれ考え方が異なるので、そのあたりの話はいずれ。
何が言いたかったか。
ニーチェの本を読めば、この世知辛い世の中を生きやすくなります。
それは宗教のような救いと言う意味では無く、きちんとロジカルに。
世の中のおかしさを指摘してくれます。
そもそもボクは神様の存在を信じていない無信仰ですが、ニーチェの説明には感銘を受けました。
ブラック企業や不況など、様々な悩みを持つ人は、かじってみてください。