ランチェスターの法則から学ぶ
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
- 企業で働いていて、将来出世して経営陣になろうと思っている。
- 自分で事業を経営している。
そんな人たちが絶対に知っておくべき経営戦略があります。
それは、
ランチェスター戦略。
名前くらいは聞いたことがあるかも知れないですね。
経営を科学する
例えばテニスを始めた人がテニスを上達したい場合、何も調べずにただラケットを振るよりも、テニス上達のための本を読んで練習に取り入れたり、専門家のアドバイスを受けるほうが、ずっと早く上達ます。
初心者が気付かないコツや、初心者が知らない技術がたくさんあるからです。
これはゴルフでもピアノでも何でもそうですよね。
歴史あるモノは歴史の中で多くの人によって研究され、効果的なものは後世に残り、無駄なモノは排除されます。
そうやってノウハウが蓄積されるので、後から学ぶ人は、それを手本にできるわけです。
経営も同じで、単にデタラメに行き当たりばったりで経営しても失敗します。たまに成功するかもしれませんが、それはまぐれです。
しかし、過去に蓄積されたノウハウを学んで科学的に行えば、経営もまた上手くいきます。
そして、ノウハウが蓄積された手法のひとつがランチェスター戦略です。
もともとはランチェスター氏による戦争での法則研究なんですが、それを日本人が経営に応用したものです。
ランチェスター戦略は確立された方法論なので、中身をマスターすれば絶大な効果(繰り返しますが、オカルトや気持ちの世界ではなく科学です)をあげられます。
それは別に不思議なことではなくて、例えばテニスを上達したいのにゴルフの本を読んでも上達しませんよね。テニスにはテニスの科学的な方法論があるので、それに従えばきちんと上達します。それと同じことです。
自動車のアクセルペダルを踏めば前進するように、経営において当たり前のことをやれば業績は上がります。
業績が良くなかったり倒産する会社は方法論を間違えているからなんですね。
いくつか具体例を紹介します。
強者の戦略、弱者の戦略
ランチェスター戦略では、業界のシェア1位の企業を強者、2位以下はすべて弱者と呼びます。
日本の自動車業界なら、トヨタは強者、日産やホンダなどは巨大企業ですが弱者です。
そして強者が採るべき戦略と弱者が採るべき戦略はまったく異なります。
これを間違えるとコケます。
日産が数年前に倒産寸前に追い込まれたのは、弱者なのにトヨタと同じ強者の戦略を採ったからです。これは1990年代のマツダにも言えます。
サンヨー電機が消えたのも強者の戦略を採ってパナソニックに挑んだからです。
自社が強者なのか弱者なのかをしっかり把握し、最適な戦略を選ぶ必要があります。
ランチェスター第一法則(弱者の戦略)
これは局地戦、接近戦、一騎打ちなどで成り立つ法則です。
第一法則では、
攻撃力 = 兵力数 × 武器性能
が成立します。
例えば、武器性能が同じレベルのA軍(20人)とB軍(5人)がいるとします。
この場合は攻撃力の差は20対10、つまり2対1になります。
第一法則でこの両軍が戦うと、B軍が全滅する頃にはA軍は10人が生き残ります。
ランチェスター第二法則(勝者の戦略)
これは広域戦、遠隔戦、確率戦などで成り立つ法則です。
第二法則では、
攻撃力 = 兵力数の2乗 × 武器性能
が成立します。
例えば、武器性能が同じレベルのA軍(20人)とB軍(10人)がいるとします。
この場合は攻撃力の差は400対100、つまり4対1になります。
第二法則でこの両軍が戦うと、B軍が全滅する頃にはA軍は27人もしくは28人が生き残ります。
弱者にとって第二法則で戦うとダメージが大きいので第一法則で戦うべきです。
強者にとっては第二法則で戦うと有利なわけです。
世の中のシェア1位以外の会社は全部が弱者なので、要するの世の中の大半の企業は弱者の戦略を採る必要があるのです。
でも、それを考えずに強者と同じ戦略を採ってしまう企業が多く、当たり前のように衰退してしまうのです。
ここまで書いたことはほんの入口です。
詳しくは本を読んでください。
ボクが超オススメする本の順番があります。
まずはこれを読んでください。
ランチェスター協会による、公式本と呼んでも良い本で、ものすごくわかりやすいです。
これでランチェスター戦略の概念を理解してください。
そして理解したら、次はこれ。
社長は絶対に読んで欲しいです。
精神論とか自己啓発的ではなく、とてつもなく実践的です。
具体的に何の作業をどれくらいの割合で重点を置いて取り組むべきかが丁寧に書かれており、しかも非常に説得力があります。
ランチェスター戦略に基いているので、必ずランチェスター戦略の概略だけでも理解してから読んで欲しい本です。
社長じゃないあなたも読んで絶対に損しません。
例えば、ブログのアクセス数を増やすための戦略なども、これを読んであらためてボクは考えさせられました。
今までランチェスター戦略を知らなかった人が、以上の2冊を読み終わると、新しい世界が開けた気持ちになります。
具体的にやるべきことが見えてきます。
経営は運やまぐれではなく科学であり、テニスやピアノを上達するのと同じように確立された方法論があることが理解できます。
これらを読んでボクは、稲森さんの本を思い出しました。
多くの企業で採用されている会計手法は、決算発表や税金計算のための会計です。
しかしそれだけでは営業利益の根拠がわかりません。
そこでそのための会計も別途行う必要があるということです。
営業エリア
最後に一つだけ弱者の戦略の事例を書いておきます。
それは地域を絞ることです。
弱者は勝者と比べて売上も利益も少ないので、勝者と同じ面積の営業エリアを持つと競争上、不利になります。
100人の企業と20人の企業が同じ面積を持つと、20人の企業の方が一人あたりの負担が大きくなり、効率的に営業できません。
例えば自社から片道30分の距離に営業先があって、そこに30分滞在するだけでも合計で1時間半かかります。その分の交通費もかかります。
6時間で4社です。
これを遠距離の営業先を切って自社から片道15分以内の営業先に絞るとします。すると1社で1時間です。
6時間で6社に営業に行けるようになります。
同じ時間コストで営業力が1.5倍に強化されるわけです。
企業の利益の源泉が売上である以上、売上とは無関係(なのにコストがかかる)な部分(移動時間など)は合理化していく必要があるということです。
こんな風に、弱者は弱者の戦略に基いて、ひとつひとつ見直していくことで、業績の向上につながります。
経営コンサルタントですら戦略と戦術の違いを理解していない人が多いので、一度きちんと学んでおけば、その他大勢の中の一人ではなく、一部の限られた人間になれるということですよ。