非天マザー by B-CHAN

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赤字だから売上不振と決めつけるのは間違いという話

大ヒットして大赤字

 

みなさん、こんにちは!

B-CHANです。

 

今日は、まず、次の2つの記事を見てください。

 

イオン、「本業のスーパーが赤字」の深刻度 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

イオンとの競争に敗れ…閉店するヨーカドー店舗 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

上の記事はイオンが大赤字の記事、下の記事はイオンがイトーヨーカドーに勝った記事。

ぼんやり読んでいると、2つの記事は対照的な出来事だと思ってしまうかもしれません。

でも、一概にそうと言えないとも考えられます。

 

一般的には赤字の事業は顧客からの支持を得られていないと考えますよね。

しかし、次の場合はどうでしょう。

 

ある自動車メーカーA社が製造コスト500万円の高級車Bを100万円で販売しました。

Bは歴史に残る大ヒットで1年間で100万台を販売しました。

まさに圧倒的人気で売れに売れたのです。

その結果、どうなったでしょうか。

そうです。

A社は大赤字です。

1台あたり400万円の赤字が出るクルマを100万台も売ったんですから、4兆円の巨額赤字です。

 

話をわかりやすくするために、めちゃくちゃ大げさに書いてみましたが、ボクが言いたいのは、赤字の原因は2通りあるということです。

  • 売上不振
  • 高コスト

ある企業が巨額の赤字を計上したというニュースを聞いた時に、ほとんどの人は、その企業の製品や商品が売れていないと思い込んでしまいます。つまり売上不振ですね。

でも実はそう断定するのは間違いで、上記の例のように、売れまくっても高コストによって赤字になる例もあるということを知ってほしいんです。

会計知識のある人や経営コンサルなどは、赤字の要因をいくつかに分解して検証するので、単純に売上不振だと断定することは無いんですが、そういう知識のない一般の人は、赤字=売上不振だと断定しがちです。

このことは、ネットで流れ来る情報を検証もせずに鵜呑みにして拡散してしまうのと同じことです。

 

顧客から支持されている、つまりよく売れているにも関わらず赤字を出す企業として世界で一番有名なのはAmazonでしょう。

ご存知のとおり、Amazonは他の小売業者を駆逐するくらいよく売れている、つまり顧客の支持を集めていますが、業績は巨額の黒字をなかなか出さず、収支トントンかむしろ赤字だったりします。

なぜなら、稼いだおカネを次の投資にどんどん使っていくからです。

利益としておカネを残すのではなく、どんどん使って便利なサービスを開発し、さらに顧客の支持を得る。

それがAmazonの戦略です。

 

最初に載せたイトーヨーカドーとイオンの記事。

利益という観点で見れば、競争に勝ったのはイトーヨーカドーを持つセブン&アイグループですが、顧客からの支持という点で見れば、浜松のイトーヨーカドーのようにイオンに競争で負けた店舗もあるわけです。

もちろん浜松の事例がすべてでは無いので、業績の要因をきちんと把握するためには、少なくとも売れ行きの内容や財務諸表を検証する必要があります。

赤字だから売れてない、と断定するのは間違いです。

 

いつも書いていることですが、物事は一面だけで見たり、ひとくくりで判断するのは間違いです。

情報から正確に判断するのであれば、複数の可能性を常に考える事、多面的に考えること、分解して考えることが重要、という話でした。

 

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