不正
杭打ちのデータ改ざん問題。
予想どおり、一個人の不祥事では無く、業界を挙げての巨大な問題であることがわかって来ましたね〜。
もしかしたら気付いていないだけで、あなたが住んでいる建物も欠陥かもしれませんね。
こういうニュースを見て、建設業界の闇を感じるかも知れませんが、実はニュースになっていないだけで、世の中にはいろんな業界で不正があると思うんですよ。
というか不正がまったく無い業界ってあるんでしょうか。
銀行員時代の話
ブログのプロフィール欄にも書いていますが、ボクはかつて銀行員でした。
財閥の名前を冠した巨大銀行です。もちろん今も存在する有名な大手銀行です。
入社したばかりで新人のボクは、雑務に近い仕事をたくさん受け持ちました。
例えば、最寄り駅の前日の売り上げである硬貨を運ぶ仕事など。
んで、そういった雑務のひとつが金庫を開けて各種キャビネットを運び出す仕事があったんですよ。
キャビネットと言っても台車が付いていて、手で押して運ぶことができるワゴンタイプです。
ただし銀行の金庫なので、開けるにはそれなりの手順が必要なんですね。
それを朝一番に出社して新人が行うのが、その支店での長年の習慣になっていたわけです。
入社して数ヶ月は、金庫を開けてキャビネットを運び出す仕事をマジメにやっていたボクでした。
しかし、会社生活に慣れてきた頃、ボクは気付いたんですよ。
本来、朝のその作業は課長以上の権限者が行う必要があるという規則に。
金庫に保管されるキャビネットには、顧客資料などの、今で言う個人情報が入っています。
だから、そういう規則が定まっているわけですね。
しかし支店では長年にわたって、その仕事は、新人の仕事として習慣化してしまっていました。
それまでの先輩たちは、それに気付いていても、何ら気にすること無く、いや、上司に逆らうことは良くないと考えていたんでしょうか。
その習慣がずっと続いていたわけですが、ボクがとうとう声を上げてしまいました。
はっきりと言ったんですよ、上司に。
「これ、規則違反じゃ無いんですか。」
で、気まずい雰囲気になりながらも、その習慣は改善され、それからはその作業は課長が行うようになりました。
数日後、ボクの仲の良い課長代理がボクをこっそり呼んで言いました。
「正論でもキミははっきり言うので、キミの将来の出世を考えたら、ああいうことは言わない方がいいよ。」
ボクは、
はあああああああああ?
となりました。
規則違反を指摘することよりも上司に媚びる方が大事なんですか。
その翌年、ボクは兵庫県宝塚市で阪神大震災に巻き込まれました。
電気も電話も不通。線路もめちゃくちゃで電車も動かず。
会社にも行けず、当日は怪我人の救出活動をしていました。
翌日、数駅分歩いてから電車に乗って何とか出勤しました。
会社で言われたのは、たった一言。
「無断で勝手に休んで勝手な活動をするな。」
大震災で連絡も取れず、人命が関わる状況を目の前にしたら、臨機応変に動くのが当然でしょうに。
ボクが会社に不信感を抱くのは当然で、数年後に、退職することになりました。
学生のみなさん。
巨大銀行は就職人気の上位ですが、人生はたった一度です。
給料の良さだけに目を奪われて、人間性の無い日々を送ることの無いように。
金銭的に満足しても、悪人になったら人間として終わりですぜ。
会社選びは慎重にすることを祈っております。