高齢者の運転
昨日も大阪のスーパーに高齢者が運転する自動車が突っ込んで死者が出ました。
しかし、ボクがたびたび書いているように、高齢かどうかと事故の因果関係はカンタンには結論づけられません。
なぜなら、高齢者では無い人も大勢が事故を起こしているからです。
物事の一面だけを見ても問題は解決しません。
例えば、こんな話をしてみましょう。
電車の中でぺちゃくちゃと話し込んでいる集団がいるとします。
Aさんはそれを見て、
「やはり女性はおしゃべりで迷惑だなあ。」
と思いました。
話し込んでいる集団は全員が女性だったのです。
ところが、同じ集団をBさんが見て思ったのは、
「やはり子供はおしゃべりで迷惑だなあ。」
そうです。その集団は全員が子供なのです。
一方、Cさんは、
「中国人はおしゃべりで迷惑だなあ。」
実は、集団全員が中国語で話しているのです。
結局、おしゃべりの原因は、女性であるコトなのか、子供であるコトなのか、中国人であるコトなのか、あるいはそれ以外なのか、原因なんて断定できないのです。
性別で判断するか、年齢で判断するか、国で判断するか、それ以外かで印象は変わるのです。
事故を起こした人を、年齢と言う一面で判断すると正確な結論は出せません。
事故を起こしたのは高齢が原因では無く、居眠りが原因だったかも知れませんし、乱暴な性格が原因だったかも知れないからです。
事故を防ぐために
年齢と言う一面だけを見て、高齢者は運転免許を返納すべきと言う人が多いですが、それでは問題は解決しません。
なぜなら、身体能力・判断能力が高い高齢者も存在するからです。
逆に、高齢者よりも身体能力・判断能力が低い若者も存在します。
その人はなぜ返納しないんだと言う議論になってしまいます。
そもそも高齢者以外の人もたくさん事故を起こしているので、免許返納するなら、高齢者もそれ以外も全員がすべきですよね。
でも、それでは立ちゆきません。
ボクが考えるのは、義務化すべきは、高齢者の免許返納では無く、すべての自動車に衝突防止装置装着の義務付けです。
少なくともこれから売る自動車はすべて義務付けるべき。
そうすれば、高齢者や若者関係無く、事故は激減しますし、高齢者も免許を返納しなくて良くなるので、生活にも困りません。
いかがでしょうか。
高齢者が免許を返納しても若者が事故を起こせば意味は無いですし、免許返納で生活に困る高齢者もたくさんいるでしょう。
それでも免許返納を主張しますか。それだと事故は起き続けますよ。
大切なのは命を守るコトです。
そのための手段を考えるのが重要であって、免許返納という手段を目的化してしまっては意味がありません。
