ALSと言う難病
佐伯チズさんが亡くなりました。
と言っても、ボクは佐伯チズさんを全く知りません。
たまたま、ニュースサイトで見ました。
ニュースで見て、初めて名前や職業を知りました。
佐伯チズさんのコトは全く知りませんが、亡くなった原因が気になったので、ここに書き記しておきます。
佐伯チズさんの死因は、ALSです。
意識があるのに世間から断絶される
ALSは脳からの命令を送る神経が破壊される病気なので、要するに、自分の意思どおりに手足などの身体の器官が動かせなくなります。
通常、人間は、右手を上げようと言う脳からの信号が神経を伝わって、右手が上がります。
それが、神経の破損により、自分の意思が右手に伝わらなくなるわけですね。
右手に限らず、身体のあらゆる部位に進行します。
初期の段階では右手が動いている人でも、だんだんと動かなくなるわけです。
足かも知れません。口かも知れません。
誰もが罹患する可能性があります。
明日、いきなりボクがそうなる可能性がありますし、もちろん、あなたにも。
ボクが恐ろしいと思ったのは、自分の意思は残っている点です。
自分の意識ははっきりしているのに、身体は動かない。
つまり、他人に対して意思表示ができなくなるのです。
他人から見たら、声をかけても反応が無いわけです。
でも、本人は、それが見えていますし、それが聞こえています。
例えば、誰かが、
ノドが渇いた?
と問いかけて、本人が、
うん
と返事しても、問いかけた人から見れば無反応なので、
ああ、いらないのかな?
と思いがちなんです。
本人がイエスの返事をしても、ノーの返事をしても、他人から見れば無反応。
ベッドでじっと静止しているだけです。
起きている間、ずっと動けない。
退屈で本を読みたくても、それを誰かに伝えるコトもできない。
周りの人も、それを知るコトもできない。
それって、生きながら、社会とは断絶されている状態です。
そして、治る見込みが無い以上、命が終わるまで、その状態が続くわけです。
本人にはしっかりと意識があるのです。
でも、口も動かせないから伝えられない。
もし、延命治療をしたら、その期間が長くなります。
30年間、無反応で生きるかも知れないのです。
佐伯チズさんは、その選択はしなかったそうです。
延命治療で、無反応のまま生きながらえるより、自分の身体が動く間に最後を迎える。
言い換えれば、最後まで自分らしくありたい。
そうやって、最後を迎えたとのコト。
ボクは衝撃を受けました。
自分がその選択を迫られたら、どうするだろう?
誰かを会話をできる状態のまま最後を迎えるか、それとも、病気が進行して、やがて意識を持ったまま無反応の身体になるまで生きながらえるか。
最後まで自分らしく、と言えば美談ですが、自分が延命を避ける勇気があるかどうか。
とても難しいだろうな、と思いました。
それでも、誰もがその可能性がある以上、考えておかなきゃならない問題なんですよね。