人口減少
人口減少のデータを今さら、いちいちここに書いても仕方が無いので、内閣府の資料ページを貼っておきます。
1 高齢化の現状と将来像|平成29年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府
2065年のデータまで載っています。
このデータだけではわかりませんが、2017年(平成29年)は日本の人口は40万人以上減りました。
40万人の人口と言えば、
- 神奈川県横須賀市
- 大阪府枚方市
- 宮崎県宮崎市
あたりです。
考えてみてくださいよ。
宮崎県から、宮崎市の人が全員いなくなったとしたら大騒ぎですよ。
でも、実際、それと同じことが起きちゃったんですねえ。
これからも毎年、それが、いや、それ以上の人口消滅が起きていくわけです。
あと、気になるのが、65歳以上の高齢者人口があまり減らない点です。
例えば、
2016年の65歳以上人口は3459万人。
2065年の65歳以上人口は3381万人。
約50年間で、たったの78万人しか減りません。
しかし、
2016年の15歳から64歳以上人口は7656万人。
2065年の15歳から64歳以上人口は4529万人。
何と、3127万人も減るんです。
現役労働者世代が激減するってコトですね。
高齢者人口と現役人口の比率を書くと、
2016年 1:2.21
2065年 1:1.34
日本の年金制度はご存じかどうか知らないですが、賦課方式です。
これは現役世代が高齢者世代に支払う方式です。
つまり、現役世代が減るほど、また、高齢者世代が増えるほど、現役世代の負担が重くなるわけですね。
2016年時点では、現役2.21人ほどで1人の高齢者の生活を支えていますが、2065年時点では、現役1.34人で1人の高齢者の生活費を出す必要が生じます。
これって、独身の人でも1人の高齢者の生活費を負担するのと同じですよ。
めちゃくちゃ大変です。
各世代が同じ比率で人口減少すれば、まだマシなんですが、日本の場合、高齢者は減らずに現役労働者世代だけが猛烈に減っていくので、そこに待っているのは過酷な生活、と言うことになります。
人口減少が問題と言うよりも、少子高齢化の方がずっと悲惨と言うことです。
面積は減らない
もうひとつ、ボクが大変だと考えるのが日本の面積。
人口が減っても国土の面積は減りません。
そして、人口が減っても使うインフラの「種類」は減らない、と言う点です。
例えば、住居に限って言えば、人口が減れば使われる住居の「数」も減っていきます。
これは減らせば済むことです。
もちろん、取り壊すのにもコストはかかるので、カンタンでは無いですが、理論上は可能です。
しかし、インフラの「数」は減らせても「種類」を減らすわけにはいきません。
例えば、
- スーパー
- 病院
- 役所
- 橋
- 理容室
が存在するとして、人口が減ったから、
- 病院
- 役所
- 橋
- 理容室
だけに減らそう、とはいかないですよね。
さらに人口が減ったから、
- 役所
- 橋
- 理容室
だけに減らそう、とはいかないです。
人口が減ってもスーパーは必要です。病院も必要です。
それぞれの数は減らせても種類は減らせないのです。
人口1万人の街にも全てが必要であり、人口1000人の街にも全てが必要。
人口100人の街にも全てが必要です。
橋を渡る人口が1000人から100人に減ったとしても、その橋を維持しないと、100人が渡れなくなります。
つまり、ひとつの橋の維持費を1000人で負担していた状態から100人で負担する状態へ変化するわけです。
あらゆるインフラに当てはまります。
人口が減っても、国土の面積がそれに合わせて減っていくわけではありません。
必然的に、それぞれのインフラを維持するための1人あたりの負担が重くなっていきます。
やっかいなことに、1人あたりのインフラ維持コストが重くなり、かつ、人口の内訳に高齢者が増えるわけです。
そうなると、ますます、現役世代の負担が重くなります。
所得税って意識したこと、ありますか?
多くの人の税率が10%から20%。
これが給料からあらかじめ引かれています。
いまは国の財政を支えるために、消費税の増税が予定されていますが、これだけ現役世代の人口が減り、人口比率が小さくなると、消費税だけでは支えきれなくなります。
もしかしたら、所得税も増税される可能性もあるってことですね。
想像してみてくださいよ。
給料が30万円なのに、あらかじめ12万円が所得税として差し引かれている給料明細。
恐ろしいですよね。
そうなると、国は財政を支えるためには支出を抑えるしかありません。
ところが、高齢者の比率が増えるので必然的に医療費の比率、つまり、健康保険の財政も悪化します。
今は現役世代は医療費負担は3割で済みますが、これだって過去から徐々に引き上げられているんです。
将来は4割5割と上げていかないと成り立たなくなる可能性があります。
そうなると、病気になっても、うかつに病院に行けなくなりますよね。
少なくとも、これから生まれる子供は、現役のうちに2065年を迎えます。
つまり、ここまでに書いた過酷な生活に、おそらく元気なうちに直面します。
思えば、日本の年金制度が賦課方式であることは、大きな弊害ですよね。
よく考えたら、ここまで書いたすべての問題は、集約すると、おカネの問題。
人口減少を防ぐには出生率を上げるしか無いんですが、それができないのもおカネの問題。
現在ですら、貧困に苦しむ人が多く、毎年、2000人もの餓死者がいる日本。
今後、それがさらに悪化します。
解決するには、おカネの問題を何とかする。
にも関わらず、未だに多いんですよね。
カネ儲けは悪いことだ!
と高らかに叫ぶ人。
もう、明らかに間違っているんですが、そう言う人たちは、手段と目的を混同しているんです。
カネ儲けは何ら悪いことでは無いですし、いろんな問題を解決できるんです。
悪いのは、
悪いやり方でカネ儲けすることです。
例えば、窃盗とか強盗とか詐欺とか。
カネ儲け自体は、良いことをするための手段に過ぎません。
目的では無いのです。
たくさん稼げば、上記の問題も解決できますし、余剰が出れば寄付もできます。
人助けに使えるんです。
カネ儲けは悪いことだ!
と叫ぶ人は迷惑なんですよ。
そんな人がいるから、カネ儲けに後ろめたくなって、不幸な人が多く生まれるのです。
堂々とカネ儲けして、それを世の中の役に立てればいいんです。
もう一度書きます。
カネ儲けは、良いことをするための手段に過ぎない。
だから、積極的にカネ儲けして、どんどん人の役に立とう。
このブログの過去記事にも、たくさんのカネ儲け記事を書いて来ました。
ぜひ役に立ててください。