電卓はいらない
この世にはExcelを使う人と使わない人がいる。
この場合、使うと言うのは、本質を理解して使うと言う意味です。
別にExcelに限らず、仕事にITを導入する意味を理解するかどうかで、仕事の効率は大きく変わってしまいます。
IT化は、仕事を、
- 速く
- 正確に
行うことに貢献してくれます。
もちろん、手書きよりも成果物をキレイに仕上げると言うデザイン的な効果もありますが、それはケースバイケースであり、場合によっては手書きの方が重宝するケースもあるので、一概には言えません。
ボクが同僚や部下にパソコンを教えるときに口グセのように言うのは、
- 電卓を捨てろ
- マウスのケーブルを切れ
です。
コピーやペーストをするのに、キーボードなら一瞬ですが、マウスなら、カーソルを移動して右クリックしてコンテキストメニューから選択するのに数秒かかります。
10倍くらいの時間差があります。
塵も積もれば山となる。
1時間で済む仕事が10時間。
1日で済む仕事が10日。
ITの導入と使いこなしによって、残業が大きく減らせるんですよ。
ブラック企業だった会社がホワイト企業になるかもしれません。
足し算
3876+223+863+178+995
と言う足し算を行う場合、Excelではこんな風に書きます。
D4からD8セルにそれぞれ数字が入っています。
そしてD10セルには、それらの足し算の答えが表示されています。
これを電卓で計算しちゃダメなんですね。
Excelに自動的に計算させないと意味がありません。
上記の画面をよく見ると、
=SUM(D4:D8)
と表示されている場所がありますよね。
その場所を、数式バーと呼びます。
数式バーには、現在、カーソルがある位置のセルの内容が表示されるんです。
上記の画面では、D10セルの内容が表示されているわけです。
Excelでは、関数と呼ばれる命令がたくさん内蔵されています。
SUMも関数のひとつで、ある範囲の数字を合計する命令です。
ここで言う命令とは、人間からExcelへの命令です。
「ここからここまでの数字を全部合計せよ!」
と人間からExcelに命令しているんですね。
書き方はあらかじめ決まっています。
なので、決められたとおりに書かないとExcelは命令を理解してくれません。
SUMの場合は、セルに、
=SUM(範囲の最初のセル:範囲の最後のセル)
と書きます。英数記号は半角で書きます。
上記の画像の場合は、
=SUM(D4:D8)
D4セルからD8セルの範囲の数字を合計せよ!
となります。
その結果の6135が表示されているわけです。
すでに数式バーに、D10セルの中身が表示されていますが、F2キーを押せば、もっとわかりやすく表示されます。
これを編集モードと言います。編集モードから抜けるにはEnterキーかescキーを押しましょう。
で、実際にF2キーを押して、D10セルを編集モードにした画面がこちら。
わかりやすいでしょ。
SUMの対象となる範囲が色つきで囲まれています。
この範囲が足し算されていることがよくわかります。
また、数式バーだけではなく、D10セル自体にも関数が表示されています。
この状態で、試しにD4をD3に変更すると、次の画面のようになります。
ほら、足し算の範囲が変わりましたよ。
ここではD3セルには何も無いのでゼロとして扱われるので、合計値は変わらないんですけどね。
では、D6セルの数値を変えてみましょう。
863だったのを2576に変更してみます。
もし電卓を使っているのなら、また最初から5つの数値を足し算して合計値を求めるハメになります。
しかし、Excelなら自動。
ご覧のとおり、合計値であるD10セルも、自動的に7848に変わりました。
元々、コンピュータは日本語では電子計算機と呼ばれます。
電子回路を使って計算をする機械ですよ。
計算をさせるのが目的です。
もし人間が電卓を使って毎回、最初から最後まで計算してしまうと、
- 遅い
- 間違える
と言うデメリットが発生します。
だから、コンピュータを使うのです。Excelを使うのです。
自分はアナログ人間だから、なんて言い訳は関係ありません。
遅いことと間違いが多いことは会社の利益を押し下げる要因になります。
速いことと間違いが少ないことは会社の利益を押し上げる要因になります。
給料の観点からも会社経営の観点からも、アナログ人間かどうかは関係ありません。
正確に速く処理をこなすことが、より好ましいのです。
実は、今回の内容は、Excelの初歩の初歩。
しかし、ボクが勝手にそう思い込んでいただけでした。
世の中には、必ずしも、その水準のスキルを持っている人ばかりではありません。
それは、冒頭に貼った記事に書いたように、ボクが身をもって体験しました。
今回のおさらい。
- 計算はExcelに自動的にさせる
- ある範囲の数値を合計するにはSUM関数
- F2キーで編集モード
これをマスターしてください。
おそらくこれからの仕事人生で最もよく使うはずです。
つまり、これらを覚えるだけで、業務はかなり改善できるはず。
今後も、こんな感じでExcelの話を書いてみようと思います。