命
一番価値が高いモノはもちろん命です。
しかし、命と言ってしまうと、説得力が低くなるので、ボクは言い換えます。
この世で一番価値が高いのは時間です。
命はそのまま時間と言い換える事ができます。
80年間生きると言うことは80年間と言う時間を過ごすことですからね。
とかく議論になりがちな、おカネ儲けの話。
確かに世の中にはおカネ儲けをがんばる人が多いです。
しかし、その理由に明確に答えられる人はそんなに多くはありません。
なぜ人はおカネを稼ぐのか。
それは時間が最も価値が高いからです。
人生と言う名の時間の長さは有限です。
だから、おカネを稼ぐ必要があるのです。
なぜなら、おカネで時間を買うことができるからです。
例えば、住宅ローン。
3000万円を35年間も借り入れると、金利だけで1000万円以上支払うことになる人が大半です。
住宅ローンなんて組まなければ、金利の1000万円を支払う必要なんて無いのです。
なのに多くの人が巨額の金利を払ってでもローンを組む。
それは時間に価値があるからです。
もし、住宅ローンが存在しなければ、毎月、コツコツと貯金して3000万円が貯まるのを待ちます。
そうやって、65歳になって、やっと3000万円が貯まって、念願のマイホームを買って、めでたしめでたし、とならないですよね。
人間の命の長さが有限である以上、65歳になってから家を買うのは遅すぎるんです。
だから、35年と言う時間を金利を払って買うわけですね。
35年と言う時間は、金利を払ってでも手に入れたいくらい大切なんです。
そう考えると、ローンとは、金利という対価を支払って時間と言う商品を購入する売買です。
売買
実は、世の中のすべての売買は時間を買うために存在します。
例えば、魚屋さんに魚を買いに行って、対価としておカネを支払います。
おカネを支払わずに魚を手に入れるためには、自分で海や川に行って魚を捕ればいいんです。
しかし、魚を必要とする旅に海や川に行くのは時間がかかりすぎますよね。
その時間を短縮するために、海や川に行く代わりに魚を買いに行くわけです。
医者に行くのもそう。
病気を治すためには医者に行って対価を支払います。
もし、おカネを払いたくなければ、自分で医学を勉強すればいいんです。
でも、大半の人にとって、いちいち医学を勉強するのは時間のムダです。
つまり、時間を短縮するためにおカネを支払って医者に行くわけです。
こんな風に、世の中のすべてのビジネスは、時間を短縮するために存在するのです。
時間をおカネで買うのがビジネスです。
時間がこの世で一番価値が高いので、時間を使うことよりも、おカネを使う方を選ぶわけです。
もし、命が無限なら売買は成立しませんよね。
命が無限の長さなら、時間の価値は限りなくゼロになるので、わざわざおカネを出してモノを買う必要性は無くなります。
なにせ時間が無限にあるので、自分で魚を捕りに行けばいいし、医学も勉強すればいいんです。
住宅ローンも必要ありません。
そう考えると、世の中のシステムは崩壊すると思いませんか?
もし、不老不死が実現して、世の中の人がみんな不老不死になれば、すべてのビジネスモデルは成り立たなくなります。
わざわざ対価を支払って購入する必要性が無いんですから。
住宅ローンなんて組まなくても貯金ができてから家を買えばいいんです。
もっとも、家の売買と言うビジネスモデルも崩壊するので、結局、自分で家を建てることになるんですが。
世の中の経済活動は、人の命の長さが有限である、つまり、この世で一番価値が高いモノが時間だからこそ、成立しているんですよ、と言うお話でした。
日々、何もせずにボーッとして過ごす時間が多い人って、命をどんどん捨てているわけです。
ボクにはとてもそんなマネはできません。