仕事の内容
ここの2種類の仕事があるとします。
1つめは、重さ300gの荷物をこちらからあちらへ運ぶ仕事。
荷物は全部で100個。
荷物の中身はガラスのコップ。500円相当。
運んでいるときにうっかり落としてコップを壊せば500円を弁償しなければなりません。
給料は1,000円。
2つめは、100個の大豆を箸(はし)で右の皿から左の皿へ1粒ずつ移す仕事。
観客が見ていて、途中で1個でも落としてしまえば、100万円を弁償しなければなりません。
給料は1,000円。
あなたならどちらの仕事を選択しますか?
ミス
ミスは誰にでも起こりうるモノです。
2つめの仕事は、ミスをすると100万円の負債を負います。
1つ目の仕事も2つ目の仕事も、得られる報酬は変わらないのに、2つ目の方がリスクが巨大ですね。
つまり、2つめの仕事は、リスクとリターンが合っていません。
こんな条件の仕事なんて、誰もやらないでしょう。
ミスと言うのは、自分の意思で起こすモノではありません。
マジメにやっていても、起こり得ます。
昨今、雇われた人が仕事中にミスを起こしたら、それを弁償させろ、なんて言っている人がいますが、それはまさに上記の2つめの仕事です。
ミスを責めて賠償させるようになれば、もはやその仕事に誰も就けなくなります。
しかも、ミスが起こるかどうかは本人の意思とは関係無いため、単なる運です。
上の1つめの仕事の2つ目の仕事で、2つ目の仕事をやった人が大豆を落としてしまったら、それはその人が悪いんでしょうか?
雇われた人が仕事でミスをしたから賠償させるなんて議論は言語道断ですよ。
ミスをするのは当たり前。
大事なのは、ミスをしても被害を最小限にする仕組みを作るコトなのです。
ミスをするのが悪いなんてコトになったら、すべてに人間が悪人になります。
たまたま運が悪かっただけで巨額の賠償をさせるなんてコトはあってはならないのです。