差別とは
女性専用車両について、あらためて考えてみましたよ。
彼らは、女性専用車両の存在によって、男性差別だと叫ぶわけです。
では、そんな彼らに、どのように合理的に反論すれば良いのか。
ボクはよくこのブログでも書いていますが、何かを説明するときに、単なる感情論で書いてしまうと、それはただのケンカになります。
感情は好き嫌いの問題だからです。
なので、ロジック(論理)で答える必要があります。
鉄道会社は好き嫌いで女性専用車両を走らせているわけでは無く、合理的な理由があるわけです。
その前に、差別とはそもそも何かを考えてみましょう。
辞書で調べてみます。
差別
広辞苑 第七版 (C)2018 株式会社岩波書店
①差をつけて取りあつかうこと。わけへだて。正当な理由なく劣ったものとして不当に扱うこと。「―意識」
②区別すること。けじめ。「大小の―がある」
明鏡国語辞典 (C) Taishukan, 2002-2008
①種類・性質・状態などの違いによって区別すること。また、その違い。「無─に抽出する」
②偏見などによって差をつけ、一方を他よりも価値の低いものとして扱うこと。「─待遇」「人種─」
スーパー大辞林3.0 (C) Sanseido Co., Ltd. 2012
ある基準に基づいて,差をつけて区別すること。扱いに違いをつけること。また,その違い。「いづれを択ぶとも,さしたる―なし /十和田湖桂月」
偏見や先入観などをもとに,特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること。また,その扱い。「人種―」「―待遇」
つまり、区別と言う意味での差別と、不当に不平等な扱いをする意味での差別がある、と言うことですね。
区別と言う意味での差別には問題はありません。
例えば、企業の差別化戦略って聞いたこと、ありますよね。
他者と違う特徴で競争に勝つ戦略です。
ここでの差別は、むしろ良い意味であり、区別と言う意味合いに近いです。
なので、問題にすべきは、悪い方の差別ですね。
人種差別なんかは人種と言う理由だけで不当・不平等な扱いをするため、そこに何の合理性もありません。
職業差別しかり、出身地差別しかり、そう言ったモノは、正当な理由無く不当に扱うので問題があるわけです。
区別としての差別と、不当な差別、その違い、わかりましたか?
問題解決
女性専用車両はなぜ必要なのでしょうか。
それは、女性専用車両が存在することによって、解決できる問題があるからです。
その問題とは、もちろん、痴漢です。
では、女性専用車両を作ることによって、男性を不当に扱う意図はあるのでしょうか。
もちろんありません。
男性を不当に扱うのを目的としてわざわざ女性専用車両を作る合理性はありません。
目的は問題解決であって、男性への不当・不平等な扱いではありません。
つまり、女性専用車両とは、さっき書いたところの前者、区別に当たるわけです。
同じような考え方は他にもあります。
身体障害者用の駐車場やトイレ。
これも身体障害者の不便を解消するのが目的であって、健常者を不当に不平等に扱うのが目的ではありません。
あくまでも問題解決のための区別に当たるわけです。
そんな観点で言えば、女性専用車両を不当だと騒いでいる人たちは、区別と不当な差別の違いを認識できていません。
さらに女性専用車両が無くなることでの問題を解決する他の手段も示していません。
現時点で、女性専用車両を無くす合理性は特に無いわけです。
ただし、1編成の電車のうち、1両が女性専用になることで、男性が乗れる車両が減るため、男性だけが混雑に苦しむケースがあります。
これは確かに問題ですね。
なので、ボクは先日、それの解決案も書いておきました。
ボクも人間なので、好き嫌いはあります。
なのに、なぜわざわざこんな記事を書くのか。
世の中には痴漢で苦しんでいる人がたくさんいる。
それを助けるために存在する女性専用車両。
困っている人を助けることよりも、区別を嫌がる。
それって、心が優しいと言えるんでしょうかね。
ボクは、世の中にもっともっと心の優しい人が増えればいいのにな、と思っています。
だから、「区別」にギャアギャア騒ぎ立てるよりも、困っている人を救う方を優先したらどうでしょうか、と思って、こんなことを書くのです。